2015フィギュアスケートGPファイナルで、SP(ショートプログラム)で世界歴代最高得点を更新した羽生結弦選手。この快挙にスポーツ紙記者はこう語る。
「我々の間では、羽生選手のSPでの記録更新は間違いないものと思われていました。というのも、NHK杯でのSPは完璧に近かったものの4回転サルコウでの微妙なバランスの崩れなど、改善ポイントがいくつかあったのです。それだけに、まだ得点に“のびしろ”があると見ていました」
実際に、羽生選手はNHK杯のSP後のインタビューで、
「まだまだできることはいっぱいあると思います。実際に最初のサルコウは加点がどれだけついたかはわからないですけれど、まだまだ評価をいただけるような入り方や降り方を予定しているジャンプなので、もっともっとさらに精度を上げていきたいなと思います」
と語っている。フリーの演技を前に盛り上がる巷には、「ミスをしなければまた世界記録更新」という期待を込めた声が聞こえてくるが、前出のスポーツ紙記者はこうも言う。
「フリーでミスをしなければという仮定は誤りです。羽生選手はもう別の次元で戦っていますから。あのNHK杯の最高得点は、ミスがないどころかたくさんの加点を獲得したからこそ。今回のフリーも、進化を続ける羽生選手がどれだけ加点を得るか。そこに注目です」
GPファイナル3連覇、そして世界最高得点の更新を目指す羽生選手の“世界一の演技”を目に焼き付けよう。
(芝公子)