平昌五輪で劇的な2連覇を成し遂げたフィギュアスケートの羽生結弦選手。五輪後の記者会見では、現役続行の意思とともに4回転アクセルへの挑戦を今後の課題に挙げた。
「まずはケガの治療が最優先課題ではありますが、彼にとっては来シーズンをどうするか、北京五輪での3連覇を狙うのかということよりも、子どもの頃からの夢だった4回転アクセルへの挑戦が、現役続行のいちばん大きなモチベーションとなっているんです。羽生選手は前人未到に挑戦するのが大好きですからね。4回転ジャンプで、まだ誰も跳んでいないのは4回転アクセルだけですから、これを跳ぶ最初の選手になりたいという思いが強いのでしょう」(スポーツライター)
ファンならずとも、世界で初めて4回転アクセルを跳ぶ羽生選手の姿を見たいところだが、これに“宣戦布告”した人物がいるという。
「ネイサン・チェン選手のコーチ、ラファエル・アルトゥニアンです。アルトゥニアンコーチにとって、平昌五輪はチェン選手が勝利して自分が金メダル選手の指導者になれる大チャンスでした。しかし、チェン選手がSPで失敗し、トータルで5位に沈んでしまったことでその野望は砕かれてしまいました。そんなアルトゥニアンコーチが海外メディアのインタビューに応え、チェン選手が4回転アクセルの練習をしており、成功はコンディションによると豪語したのです」(前出・スポーツライター)
確かに、チェン選手は4回転ジャンプが得意だ。しかし、それに比べて前向きで踏み切るアクセルジャンプは得意と言えるほどではなく、実際に平昌五輪のSPでも3回転アクセルに失敗して転倒している。アルトゥニアンコーチが、そんなチェン選手の4回転アクセル挑戦に言及したのには理由があるようだ。
「実際にチェン選手が4回転アクセルを練習しているかもしれませんが、アルトゥニアンコーチがそうぶちあげたのは、チェン選手を引き止めるためではないでしょうか。平昌五輪の前後から、チェン選手とアルトゥニアンコーチの不仲が噂されており、チェン選手が来シーズンも師と仰ぐかどうか訝る関係者もいるといいます。羽生選手への宣戦布告というよりも、羽生選手に対抗するジャンプを自分のところで習得しようという、アルトゥニアンコーチからチェン選手へのアピールなのかもしれません」(前出・スポーツライター)
初の4回転アクセル成功者を目指して、早くもドラマが始まっているようだ。
(芝公子)