日本における“二枚目俳優”の代名詞的存在だった田村正和が、引退する意向であると4月20日発売の「フライデー」が報じた。
それによると同誌は、4月下旬に早朝ウォーキングに出かける田村を直撃。引退の決意について尋ねると、親しいスタッフに宛てた今年の年賀状に「のんびりしたい。無職の日々が楽しみだ」と記したと打ち明けた。
さらに、今年2月に放送された「眠狂四郎 The Final」(フジテレビ系)の試写を観て「これじゃダメだな」と痛感し、引退の決意に繋がったそうだ。引退宣言をしてもよかったが、大っぴらに言うのは趣味じゃないとも語っている。
田村と言えば、数々のNHK大河に出演。時代劇には欠かせない二枚目俳優から、「うちの子にかぎって…」や「パパはニュースキャスター」(TBS系)などのコメディー、さらに「古畑任三郎」(フジテレビ系)シリーズでの名刑事役など、そのファン層は幅広い。
今回の決断について、古参の芸能ジャーナリストに聞いた。
「田村さんは数年前から、引き際の美学を模索していました。彼は演じることについて『僕の作る舞台はリアリティーではなく、ただただ視覚に訴えていて、本当に綺麗な作り物。その方が観ていて華やかで楽しめると思っている』と語っていました。また、俳優業については『十分にやってきた』とも言っています。演者としてのイメージを守るため、私生活は一切明かさなかった田村は、自身のお墓もすでに用意しています」
今年の8月1日で75歳を迎える田村。今回の決断は、ファンにとっては寂しい限りだが、自身の美学として役者・田村正和を貫き通したい強い思いなのからだろう。20代から演じ、ライフワーク的作品だった「眠狂四郎」で役者人生に幕を閉じることになったようだ。