我が子が周りのお友だちと違うものに没頭したり、“普通の子”は話さないようなことを話したり、子どもが人と違ったことをすると、親としては不安になってしまいますよね。でも、社会に出てから新しいものを生み出す人や、「あなたにしか任せられない」仕事を受け持ったりする人には、“人と違った視点”があるんですよ。
■人と違う=間違っている とは限らない
多くの人が「当たり前だよね」と見逃してしまう部分に、問題点や問題解決への糸口を見い出せる人は、世の中に新たな可能性を生み出してくれます。「もうダメだ、諦めよう」となったときに、「いや、ここにまだ道が残っているじゃないか」と提案できるかどうか。「このままでは発展しない。何か新しいことを…」となったときに、「これならできるのでは?」と思いつくかどうか。こうした発想力は、苦しい状況を打開するのにとても重要です。
同じように、みんなが当たり前のようにやっていることに、「ちょっと待てよ、実はもっと楽な方法があるのでは?」と、スポットライトを当てることができる人も、何かを成し遂げる組織を発展させるために必要な、とても貴重な人物なのです。
■子どもたちは発想の宝庫
「そらをとべたらね、くもをたべるんだ~」と“ありえないこと”を言っている我が子に、何と語りかけますか? 「そんなわけないでしょ!」のように、面白いと思って伝えた意見を否定する言葉で返すと、そういう考えはよくない、あまり言わない方がよいのだと、子どもが学習してしまいやすくなります。経験量が多くない子どもほど、「もしもこうだったら…」と、未知のことを考えることが得意です。私たち大人の経験値で、あり・なしを判断して“教える”のではなく、「その考え、面白いね! こんな場合はどう?」と、子どもの発想を広げるようなサポートをしていきたいものですね。
■大人こそ、子ども心を楽しみ尽くす
周りにいる大人たちが子どもたちの思考をどう判断しフィードバックするかによって、その先の思考傾向が大きく変わります。「どうせ考えるなら、とことん考えてみよう!」「面白いアイディアが思いついたらお互いに言い合おう!」と、ゲームのように考える時間を楽しむことができると、思考の幅がぐっと広がっていきますよ。
大人自身が「何それ! 面白そう!」と、ぜひ子どもの思考世界に飛び込んでみてください。そして、子どもたちが考える“もしも”でできた広い海を、自由自在に泳ぎ回ってくださいね。
(Nao Kiyota)