歌手の西城秀樹さん突然の訃報に、芸能界からの悲しみの声が絶えない。
1970年代、西城さんは歌手の野口五郎、郷ひろみと「新御三家」として一世を風靡。野口は「あまりにも突然で、今は言葉が見つかりません。気持ちの整理がつくまで少し時間を下さい。申し訳ありません」、郷は「秀樹が先に逝ってしまったこと、とても悲しい気持ちでいっぱいです」とコメントを発表した。
「コメントにあるように“戦友”でもある3人の絆は強い。2015年4月13日に開かれた西城さんのバースデーライブにも、野口はサプライズ出演しています。『お前を超える人は誰もいないよ!』などと西城さんに最大級の賛辞を送っていました」(芸能記者)
野口はかつて、西城さんとの思い出深い夜について明かしたことがある。2015年10月25日に放送されたラジオ番組「ゆうちょ LETTER for LINKS」(TOKYO FM)で話したものだ。
それによると、アイドル時代のある夜、地方公演を終えた西城さんと野口はホテルの別々の部屋で宿泊。ファンによる混乱を避けるため外出は許されず、部屋の鍵はマネージャーに渡していた。そこからの出来事を野口は次のように語った。
「深夜、チャルメラの音が聞こえた。夜鳴きそば。無性にラーメンが食べたくなった。『おい、ヒデキ、ラーメン、食べにいかないか?』。彼の部屋に電話した。2人でホテルの窓から出る。とんでもない高さ。一歩間違えれば転落死。でも、そんな恐怖はなんでもなかった。深い、どこまでも深い孤独に陥る恐怖に比べれば、気にならなかった。屋台のラーメン屋さん。並んで腰掛けた。『うまいな、ヒデキ』『うまいね、ゴロー』。会話はそれだけだった」
タイムマシーンがあれば、このときの時間に戻りたいと言っていた野口。西城さんも同じ思いだったのではないだろうか。
(石田英明)