V6の井ノ原快彦主演「特捜9」(テレビ朝日系)が、第8話までの平均視聴率13.9%と高い数字をキープしている。これは、放送開始前から話題となっていた「ブラックペアン」(TBS系)を抑え、今期の民放ゴールデンドラマで暫定1位の記録だ。
「特捜9」は、17年3月14日に死去した渡瀬恒彦主演「警視庁捜査一課9係」の続編で、井ノ原演じる浅輪直樹ら「9係」に所属していたメンバーが、寺尾聰演じる新班長・宗方朔太郎のもと再結集。難事件に立ち向かう。
このドラマの魅力について、テレビ誌ライターは「ドラマの中で今でも生き続けている渡瀬さんの存在」を挙げた。
「渡瀬さんが演じていた加納倫太郎は、テロ対策室のアドバイザーとして内閣テロ対策室長に異動になった設定で、ドラマの中では健在です。会話の中で『係長が‥‥』というセリフは、加納のことを指しています。このドラマは中高年から支持されていて、渡瀬ファンも多い。物語の中で係長の名前が出てくるたびに、ホロリとさせられているんです」
第7話では事件解決の打ち上げで浅輪が新人の新藤(山田裕貴)に、行きつけの店に予約の電話を入れさせるシーンで、「元9係です」と言ったことも視聴者を歓喜させた。
渡瀬さんは生前、このドラマが大好きで「メンバーか1人でも欠けたら終了」とまで話していた。その本人は亡くなってしまったが、ドラマの中では欠けることなく存在している。制作サイドや出演者の“渡瀬愛”を実感できる唯一のドラマとなっているのだ。