番組終了後も、主演女優・井上真央の肩の荷はおりていないようだ。過去最低視聴率となってしまった、井上真央主演ドラマNHK「花燃ゆ」。これまでNHK大河ドラマの舞台の地ともなれば、さまざまな地場産業に貢献してきた。
もちろん、今回も例外ではない。物語の後半の舞台となった群馬県も、ヒロインの再婚相手で初代群馬県令(知事)の楫取素彦らの銅像を建て、話題作りに奔走した。だが今、その前橋市の計画が寄付金不足でピンチに陥っている。
楫取が群馬県令となって、尽力を注いだ生糸の生産工場「富岡製糸場」が2014年に世界遺産に登録されたこともあり、さらなる観光客誘致に力を入れようとした前橋市だったが、その目論見は「花燃ゆ」の低視聴率のあおりを受け失敗したようだ。
前橋市はドラマに合わせて楫取らの銅像を今年度中に寄付金で建てようと、費用2500万円を目標に5月に募金を開始。チラシ作製や事務費用の500万円は市が公費から別に支出した。像の制作もすでに彫刻家に依頼済みだったのだが、集まった寄付は約1300万円程だった。前橋市は今後もこの活動を続けると公表しているが、前途は多難のようだ。
「前橋市は群馬県の県庁所在地でありながら、東京のベッドタウンとなった高崎市に交通網から経済、すべてにおいて劣っています。同県内では『高崎こそ群馬の中心であるべき』との声も少なくない。だからこそ前橋市は、ドラマをきっかけにPR作戦に必死でしたが、視聴率が伸びず失敗してしまった」(群馬県出身のライター)
群馬県民の思惑をガッカリさせてしまった結果になった「花燃ゆ」と井上真央。NHK大河主演の役者にかかる重圧の重さはこんなところにもあるようだ。