社会で「できないかもしれない」という理由で足踏みすれば、大きなチャンスを失います。リスクはつきもの、自分を信じて挑戦してみよう!という強い意志や行動力をつけるには、意外にも「失敗」経験が重要です。
■失敗への抗体がない子が増えている!?
教育現場で子どもたちを見ていると、「やってみたい人!」と有志を募る場面で「ぼくはいいや、見ている…!」と自ら回避する子をよく目にします。そんな子どもたちに共通しているのは、「失敗したらカッコ悪い」「できないかもしれないから(きっとできないだろう)」という気持ち。でも、子ども時代はどんなことも「経験」として大人に見守ってもらえる、つまり失敗が許される時期でもあるのです。その時期にたっぷり失敗を経験しておかないと、大人になって大きなチャンスを自分のものにするための一歩が踏み出せなくなってしまいます。
そうした背景には、テストでは「高得点でないと怒られる」、野外体験では「汚すとママがお洗濯するのに大変だから」という心構えでいたり、ケンカをすれば「やめなさい! 今すぐ仲直りしなさい!」と言われたりすることがあるようです。そんな環境では、子どもの成長の機会を、行動する勇気を奪ってしまいかねません。
■失敗から学ぶことは大きい
例えば、大切なお友だちの心を傷つけてしまうことは、軽々しく「どんどんやりなさい」と言えることではありませんよね。とはいえ、子ども時代のケンカの多くは、お互い様。どちらも嫌な思いをして初めて、「相手のために言動を変えないといけないな」と思うものです。怪我を伴うケンカやいじめに発展しないようにルールを設け(手は出さないこと、お互いに納得するまで話し合うことなど)、子どもたち同士で決着をつけさせてあげましょう。まずは子どもたちにやらせてから、「そのやり方は違う」となったときに大人が介入してあげましょう。
経験豊富な大人は、「このままいくと失敗する」と先がみえてしまいますから、ついつい手や口を挟みたくなってしまいますよね。そんなときは、グッとこらえて「思うとおりにやってごらん。困ったらいつでも助けてあげるよ」と、一歩下がって見守ってみてはいかがでしょうか。
(Nao Kiyota)