公開中の映画「コーヒーが冷めないうちに」で思わぬ役者に注目が集まっている。それはドラマ「孤独のグルメ」シリーズ(テレビ東京系)の主役・井之頭五郎が当たり役となった松重豊だ。
「身長188センチで“コワモテ”でもある松重が、薬師丸ひろ子演じる若年性アルツハマー認知症を患う妻・佳代を心の底から愛する夫・康徳を演じているのですが、これが絶品なんです。若い女性向けの甘くふんわりした映画でありながら、薬師丸と松重が演じる夫婦愛の深さは見応え十分。原作では夫が認知症を患い、妻のことを旧姓で呼ぶようになり、最後には妻の顔さえ忘れてしまうのですが、映画では立場が逆。自分の顔を忘れてしまった佳代(薬師丸)に見せる、松重演じる康徳の笑顔や嬉しそうな顔、悲しみを乗り越えた慈悲深い表情など、とにかく老若男女問わず人の琴線に触れるんです。聞くところによると、映画館を出ていく女性客の多くが『松重さんみたいな夫がほしい』『松重さんの妻は幸せ者だよね』『松重さんの代表作は「孤独のグルメ」よりこの映画でしょう』など、松重にメロメロになっているそうです」(映画誌ライター)
名バイプレイヤーとして知られる松重だが、ここまで「女性票」を獲得したのは、今回が初めてではないだろうか。