9月28日に公開され好評を博しているV6・岡田准一の主演時代劇映画「散り椿」。大御所の名カメラマン・木村大作監督とタッグを組んだ渾身の作で、剣豪役の岡田は、3カ月におよぶ殺陣の稽古を積んだという。岡田は木村監督から全幅の信頼を得ており、同作では主役のみならず、なんと裏方としても活躍している。
「岡田はカメラマンとして撮る側にも立っています。あるオフの日、木村監督から『俺が死ぬところを撮れ』という連絡が入り、急きょ滋賀県の彦根市まで飛んだそう。撮影したのは大雨の中で監督が斬られるシーン。でも、顔面は血ノリだらけで、上空は雨。表情が見えなかったため、『何も見えません』と叫ぶと、監督から『心の目で見ろ』と返されたとか」(エンタメ誌ライター)
エンドロールのスタッフクレジットのカメラマンの欄に、岡田の名前が載っているのはこのためだ。
さらに岡田は、この映画で演出家としての才能も発揮している。
「岡田は木村監督から、昭和を代表する大物俳優の三船敏郎さん、仲代達矢さん、高倉健さん、勝新太郎さんを上回るスピードで殺陣を覚えたと絶賛され、本作の殺陣シーンはほぼ岡田が考案しました。初共演となった西島秀俊と刀を交えるシーンでは、撮影当日の朝、岡田が2度も変更を申し出て、受け入れられたそうです。もっとも3カ月もかけて習得した西島にしてみれば、たまったものじゃなかったとか」(映画ライター)
セリフや振り付けを本番直前に変更するのは、ジャニーズ事務所・ジャニー喜多川社長のやり方だ。ジャニー氏は現在も多くのオリジナルミュージカルを演出しているが、当日のリハーサルでそれまでのすべてを平気で覆す。岡田もそれにならったのかもしれない。
ジャニーズでスタッフ兼タレントといえば、“小さいジャニーさん”ことタッキー&翼の滝沢秀明が思いだされる。滝沢は年末で芸能界を引退して、来年から裏方一本に絞る。趣味である音楽・映像編集の腕を、さらに磨いていくだろう。そんな滝沢には及ばないまでも、岡田もついに映画カメラマンデビュー。“第二の滝沢”と呼ばれても不思議ではないのだ。
(北村ともこ)