母であることに甘えるのではなく、母だからこそできることを最大限やり抜きたい。そして、我が子には社会で強く生き抜く強い心を持って歩んでいって欲しい。そう思うからこそ子育てについ力が入ってしまいがちですが、相手は一人の人間です。気づかぬところで我が子を傷つけてしまうこともあると、心に留めておかなくてはなりません。
■「○○ちゃんはできているわよ」
子どもたちには、得意な分野、理解がゆっくりで時間のかかる分野があり、それは一人ひとり異なります。「あの子はもうできているのに、うちの子は…」と、どうしても比べてしまいますよね。とはいえ、けなされて頑張ろうと思える子は多くありません。まずは今、目の前にいる我が子がどこまでできているかを、しっかり観察することが大切です。そして、「ここまでできたね!」と認め、「次はここまで頑張ろう!」と一歩先に進めるように背中を押してあげてください。お母さんのことが大好きなのが子どもです。自分を分かってもらえたうえで期待して見守ってもらえれば、頑張ろうと自ら前に進みますよ。
■「またダメだったの? 何回言ったらいつわかるの?」
子どもたちにとっては、毎日が挑戦。初めての試みだってたくさんあります。大人としては「これくらいは易々とできて欲しい」と思ってしまうことも、何度も失敗を重ねて学んでいくことで掴んでいくものです。また、日々新しいことを吸収しては忘れていってしまうのも子どもたちですから、一度言ったら「分かっているよね?」ではなく、「自分からできたね! もうプロだね!」と、親子で喜び合えるまで根気強く伝え続けましょう。自分で意識して取り組むようになるまでは、忘れてしまうのもできないのも当たり前なのです。
■「どうせできないのだからあきらめなさい」
やる前から決めつけられてしまうことで、傷つく子どもは多くいます。もしかしたら、90%以上は失敗することが分かっているかもしれません。それでも、「もしかしたら、できるかも」という、子どもたちの心のともしびを吹き消さないでください。何か難しいことに出合ったとき、「できるかもしれない。やってみよう!」と、一歩進む人にしか成功は手に入りません。何をやってもできないだろうではなく、思いっきりやっておいでと応援してもらえた子は、誰かのために、何かのために、最大限の努力を惜しみなく発揮できる子に育つでしょう。
信じて待つことも、応援して見守ることも、一筋縄ではいきませんよね。ついつい言ってしまうこと、あると思います。そんなときは「ごめんね」と素直に謝り、やり直せばいいだけ。子どもと一緒にお母さんも成長する、そんな関係性になれるといいと思うのです。
(Nao Kiyota)