12月17日放送の情報番組「とくダネ!」(フジテレビ系)に社会学者の古市憲寿氏が出演。自著の小説「平成くん、さようなら」が第160回芥川賞(日本文学振興会主催)の候補になったことについて語った。
番組で、出演者らに同賞ノミネートを祝福された古市氏は「いろんな人がムカついていると思うんですよ。なんで古市が候補なんだって。そういう人は逆にほかの候補作が面白いので読んでいただいて賞が盛り上がれば」と毒舌で鳴らすいつもの感じとは違って、殊勝なコメントを残した。
同作は、安楽死が合法化された現代日本を舞台に、今を生きることの意味を問い直す意欲作。芥川賞候補だけあり、レビューが気になる。
「現実的だが、どこかアートのような作品だった」「おそらく人生観までをも揺さぶられかねないことを読了後に気づくであろう数少ない一冊」「古市さん、大好きですが、もっと好きになれた」など、さすが芥川賞候補だけのことはある。
しかし、その一方では「びっくりするほど、まったく感情移入できなかった。社会学者の記録といった感じ」「これを純文学とか純愛とか評する人がいてビックリ」「“こういう風に書けばウケるだろ”感がヒシヒシと伝わってきた」など酷評も少なくない。
「賛否両論ありますが、内容はともかく、サクサク読める小説です。ふだん、本を読まない人でも4時間程度で読めたという声もありました。読みやすいのか、内容が薄いのか、個人によって感想は異なると思いますが……」(週刊誌記者)
読んで試してみるしかないか。
(石田英明)