3月20日に開幕した「フィギュアスケート世界選手権2019」。女子シングルの注目はもちろん、今季シニアデビューを飾り、出場した国際大会全てで優勝を果たした紀平梨花選手だ。18日の公式練習でも15本のトリプルアクセルをしっかり着氷。しかし、三回転ルッツが抜けるなど、完璧な仕上がりにはあとひと息といったところだ。
今季不調だったエフゲニア・メドベージェワ選手も公式練習ではジャンプを次々と決め、好調をアピール。平昌五輪金メダリストのアリーナ・ザギトワ選手をはじめ、厳しい戦いが予想される。
紀平選手は世界選手権に向けてコロラド合宿を敢行。体力面の強化だけでなく、振り付けの完成度をさらに上げるなど、本番に向けて念入りな準備をしてきた。
「紀平選手は、世界選手権ではトリプルアクセルを2本入れたFSで、今季のプログラムの完成版を披露する予定です。1本目はコンビネーション、2本目は単発です。SPでもトリプルアクセルを入れて、3本跳びたいのだとか。ジャンプにばかり注目が集まってしまっていますが、FSではコロラド合宿で振付師のトム・ディクソンの指導を仰ぎ、進化しているはずの演技にも注目すべきです。ディクソンからは演技冒頭の表情を曲に合わせるようにと指摘されていました。ジャンプへ集中するあまり、表情が硬くなってしまっていたのです。ディクソンは、難しいけれど梨花ならできると断言していましたが、この部分がどのように仕上がっているのか。合宿のトレーニングの苦労も想像しながら見てみると、より楽しめるのではないでしょうか」(スポーツライター)
さらにファンが期待しているのが、演技の完成度だ。
「今季、紀平選手は優勝こそしていても、まだSPとFSの両方をノーミスでそろえることができていません。初の世界選手権、そして自国開催のプレッシャーの中で、しっかり両方をノーミスでできるかも大きな注目ポイントです。もちろん、ここ一番で力を発揮する坂本花織選手もSPで波に乗れば高得点を期待できますし、ミスパーフェクトの異名を持つ宮原知子選手も調子がよさそうですから、しっかり演技してくれることでしょう。誰が優勝してもおかしくない世界選手権です」(前出・スポーツライター)
今大会、ケガから復帰する羽生結弦選手はもちろん、女子シングルの熱い戦いからも目が話せない。
(芝公子)