平成時代も間もなく終わりを告げる。そこで今回は、平成のイケメン俳優を“スペック”という観点から振り返ってみたい。
学歴不問の芸能界ではあるが、当然のごとく“3高”と端正なルックスを全て兼ね備えた「ハイスペック」なタレントも散見される。
たとえば、189センチという高身長を誇る俳優の阿部寛は中央大学理工学部出身で、過去には女性ファッション誌「non-no」でカリスマモデルとしても君臨していた“超ハイスペック芸能人”だ。さらに、一時、パチンコで生計を立てるというどん底から這い上がり、今や、シリアスからコメディまで幅広く演じる超人気俳優として確固たる地位を築いている。
また、青山学院大学を卒業し、スーツがバッチリと似合う180センチの椎名桔平や、現在人気爆発中の鈴木亮平もまた東京外国語大学の外国語学部を卒業したインテリ俳優で、その身長は186センチという抜群のスタイルである。
3高に加えて端正なルックスさえも兼ね備える彼らはさぞかし黄色い歓声を浴びる人生を送ってきただろうが、そこへさらに“心の美しさ”までも求めてしまうのはワガママが過ぎるだろうか?
いや、平成には「3高」だけでなく「抜群の容姿」、そして「心の美しさ」という女性の要望を全て満たす“フルスペック”のパーフェクトヒューマンが存在した。
幼少期をスイスのチューリッヒで過ごし、英語が堪能な俳優の水嶋ヒロは2008年に名門・慶應大学を卒業すると、ファッションモデルから役者へとシフトし、数々の代表作に恵まれるロケットスタートを切ったが、2009年には歌手の絢香と結婚。所属事務所に対して事後報告となったことが軋轢を生み、その後しばらくは役者としての活動を休業せざるを得なかったが、結婚会見での「絢香を守ってあげたい」との言葉は水嶋の漢気や人間性を象徴するかのような熱いフレーズだった。小説家としての功績はノーカウントにしても、水嶋の“男前”は色あせないだろう。
なお、お笑いの世界では、芸人仲間からしばしばその人間性や内面の良さを高く評価され、188センチの高身長、広島大学工学部卒業という高学歴、そして“貯金額が1億円”とも豪語するアンガールズの田中卓志という「ハイスペックタレント」が存在するが、残念ながら女性から浴びせられるのは常に悲鳴めいた歓声であり、やはり最終的な決め手となる最も強い要素は“顔面偏差値”ということなのだろうか。
多種多様なオーラを放つ“モテ男”が次々に台頭しては消えていった「平成」の芸能界。未知なる「令和」でも女性のハートを奪う次世代のイケメン登場に期待したいところである。
(木村慎吾)