4月20日放送の「家事ヤロウ!!!」(テレビ朝日系)でTOKIOの松岡昌宏による素手でのトイレ掃除姿があまりにも衝撃的だとして大きな話題を集めたが、この大胆な掃除メソッドを“日課”としてきた著名人は決して松岡だけではない。
もちろん、トイレ専用洗剤をふんだんに使用し、丈夫なブラシで便器内を磨き上げる方が衛生面や効率という観点では軍配が上がりそうだが、ときにトイレの“素手磨き”は精神面での鍛錬やしつけの一環として用いられてきたという事実もある。
松岡と同じく、芸能界における成功者の中にも、素手でのトイレ掃除を実践してきた大御所が存在する。お笑いタレントのタモリはかつて“手袋をしていては落とせない汚れがある”とし、トイレ掃除は素手で行うと公言。便器内側に付着した頑固な汚れや、容易には消すことができないシミを爪で引っ掻きながら削ぎ落とすこともあったという。
また、タモリと共に芸能界の“ビッグ3”を構成するビートたけしは自宅はおろか、楽屋のトイレをも掃除していたとされ、その風習はかつての師匠による教えとのこと。“ゴッド姉さん”こと和田アキ子に至っては、母親から「トイレ掃除をすると美人になる」との教育を受けながら育ち、その“迷信”が実現したかどうかはさて置くとして、結果的に外出先の公衆トイレすらも掃除するようになったという。
また、芸能界だけでなく“財界のレジェンド”にも松岡と同じ精神を掲げていた偉人がいる。
日本の実業家で「本田技研工業」の創業者である本田宗一郎氏もまたトイレ掃除をこよなく愛した人物のひとりで、あえて自動車工場の中央にトイレを設置するとの逸話もあり、「トイレを汚くするような人物とは関わりたくない」といった名言も残されている。
自動車用品チェーン「イエローハット」創業者の鍵山秀三郎氏は“日本を美しくする会”なる組織の発足者で、松岡と同じ“素手での掃除”をモットーに据える本格派だ。本人曰く、素手で便器を磨くことが最も合理的だといい、掃除をして汚れを落とすことは人生の無駄を省くことにもつながる、との哲学を抱いているとされる。
すでに芸能界や経済界において地位と名誉を築き上げた往年のレジェンドがズラリと名を連ねてはいるが、旬な俳優の中にも“素手”でのトイレ掃除を公言しているイケメンがいる。
今年2月に「しゃべくり007」(日本テレビ系)にゲスト出演した高橋一生は「トイレの汚れを手で取ってます」と告白し、その理由として「スポンジよりも汚れに届く」と説明。祖母からの教えで素手でのトイレ掃除を徹底するようになったとも打ち明け、周囲や客席からの悲鳴とは対照的に、淡々と“素手での掃除”がもたらすメリットを説く高橋の表情は紛れもなく“ガチ”の様相を呈していた。
歌謡界やお笑いの世界で頂点を極めた大御所から、歴史に名を残す財界の偉人、そして旬なイケメン俳優まで…。
“トイレの神様”はあらゆる分野に点在し、素手でその成功と栄誉、さらには頑固な汚れたちを摘み取ってきたのかもしれない。
(木村慎吾)