フジテレビの月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」が、2月22日放送の第6話から第二章に突入。舞台が5年前から現在進行形へと移りかわり、若者たちの成長ぶりが描かれている。気になる視聴率は10.7%に上昇し、3話ぶりに二桁を回復。大胆な場面転換が功を奏したように見えるが、テレビ誌のライターは否定的な見方を示す。
「視聴率がアップした要因は、ずばり天気です。22日は全国的に冷え込んで在宅率が上がったので視聴率のプラス要因となりました。荒天の日には動画視聴時間が40%伸びるという調査もあるほどで、もし放送当日がポカポカ陽気だったら今回も10%割れだったことは確実でしょうね」
天気と視聴率に相関関係があることはテレビ界では常識の一つ。シリーズ最低の8.8%を記録した前週に比べると、大阪では4度、東京では5度も気温が下がっており、これでは外出意欲が失せるのも当然だろう。そんな日に家にいた視聴者が観たストーリーは、屋外の天気よりもずっと寒々しいものだったようだ。テレビ誌のライターが続ける。
「舞台が5年後になっても相変わらず現実感のない描写ばかりで驚きです。ヒロインの有村架純による『トイレの便座が冷たいのは5年後も同じ』という語りですが、家具が増えているのに便座カバーを買わないのは謎ですね。しかも登場人物は誰もLINEなどのSNSをやってなく、電話で連絡を取り合っているのも不自然な話。アラフィフの脚本家ではやはり、現代の若者を描くのは無理なのかもしれません」
劇中には若者たちがハシャぐ声がほとんどなく、気の滅入るような重い会話ばかりが交わされる本作品。制作陣の目に現代の若者がこんな風に見えているのは勝手だが、重苦しいのは天気だけで十分だと思っている視聴者も多いはずだ。
(白根麻子)