元SMAPの香取慎吾主演の映画「凪待ち」が6月28日に公開され、波紋を呼んでいる。
むくんだ顔にヨレヨレの服を羽織って街を彷徨う鬼気迫る香取の姿に、ネットでは「香取慎吾はギャンブル狂の本当にダメなヤツ、ため息でちゃうほど。なのに魅力的に見えちゃったよ」「すごくハマってた。もうやめてくれー!つらいよー笑顔を見せてくれー」「体重増量で、主人公・郁男を好演した香取慎吾の新境地を、多くの人に見てもらいたい」といった驚きのコメントが躍っている。
「この映画は、ギャンブル依存症の郁男(香取)が、恋人の亜弓(西田尚美)と娘・美波(恒松祐里)と共に彼女の故郷・石巻に帰郷。印刷工場で働きながら平穏な生活を手に入れるものの、恋人の死をきっかけに歯車が狂い始め、仕事も辞めギャンブルにのめり込み、やがて身を持ち崩すというどうしようもないろくでなしヒストリー。山田孝之主演の『凶悪』、役所広司主演の『孤狼の血』など野心的な作品を手掛けた白石和彌監督の作品だけに、香取が一体どんな演技を見せるのか注目を集めていましたが、想像をはるかに超える迫真の演技に早くも称賛の声が上がっています」(スポーツ紙記者)
この役を演じるために香取は、ノーメイクの上に無精髭を生やし、体重もベスト体重に比べて20キロあまりも増やしてこの役に挑んでいるという。ジャニーズ時代には絶対に出演するはずもなかったこの映画への出演。そこには、香取の並々ならない決意があった。
「ジャニーズを辞めていく経緯から、孤独感に苛まれていたこともあったであろう香取は、主人公・郁男とある意味重なる思いもあったのでは。ジャニーズにいたらありえないこの役を演じる事で、香取自身も様々な呪縛から解放されたのではないでしょうか」(映画誌ライター)
また前出の映画誌ライターは、白石監督の作品に出る事で香取は俳優としても大きな成長を遂げていると語る。
「2017年、映画『彼女がその名を知らない鳥たち』に主演した蒼井優は、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。去年、映画『孤狼の血』に出演した松坂桃李も新境地を切り開くなど、白石作品に出ることは、役者としてターニングポイントになる。香取にとっても忘れる事のできない作品。自身も『白石さんが僕を呼んでくれて宝物ができました』と話しています」
香取慎吾の描く「新しい地図」は今、まさに全貌を現しつつある。
(窪田史朗)