ネオ渋谷系漫才で人気急上昇中の「EXIT」。その背の高いほうであるりんたろー。が8月13日、自身のツイッターにおいて、東京渋谷・よしもと∞ホールに出演している若手芸人から意見を募集するアンケートを実施した。
同アンケートの説明では「よしもとの良い部分もそうでない部分も世間に晒される事になりました」と刺激的な書き出しで始まりつつ、「会社が良き方向に向かい始めた兆しを感じている」と評価。その一方でよしもと∞ホールの集客が落ちている現状について「かつてパンパンだったあの劇場は今、大阪の人気芸人さんに埋めてもらっているのが現状」との危機感を表明している。
そして東京の若手芸人たちに対し、「1ステが安すぎるという嘆くあなたのそのネタ果たして現状いくらの価値があるでしょうか」との問題意識を提示したうえで、〈劇場の良い所は?〉や〈劇場の不満と改善案〉、そして〈よしもと全体の不満と改善案〉などを募っている。このようにチャラ男のキャラには似つかわしくないガチなアンケートだが、それをなぜ若手のホープであるEXITのりんたろー。が行っているのか。芸能ライターが指摘する。
「アンケートの説明で彼が《本来なら卒業のはずの自分》と書いているように、このよしもと∞ホールは芸歴10年未満の芸人だけが出演できる劇場。そして東京NSC14期(08年卒)のりんたろー。には本来、出場資格はありません。なにしろ芸歴面ではマテンロウや鬼越トマホーク、コロコロチキチキペッパーズより上ですから、若手と呼ばれる立場ではないのです。ただ吉本には世代の違う芸人同士が組んだ場合、コンビとしては芸歴の浅いほうに合わせるというルールがあり、相方の兼近大樹が19期(13年卒)なのでEXITは芸歴7年目コンビという扱い。それもあってりんたろー。はよしもと∞ホールの出演芸人では最も年長となっているようです。その責任感から今回、自分が音頭を取って、アンケートを実施することにしたのでしょう」
このアンケートにはすでに数多くの若手芸人が回答しているほか、先輩芸人からも多数の連絡があったとりんたろー。は明かしている。「みんなの劇場だ!みんなで変えよう!」と意気込むりんたろー。だが、彼の呼びかけがなぜ多くの賛同を得ているのか。そこにはりんたろー。ならではの理由があるというのだ。芸能ライターが続ける。
「りんたろー。はかつて『ベイビーギャング』というコンビを組んでいましたが、当時の相方だった北見寛明が複数回の無免許運転で逮捕され、実刑判決を受けて服役したこともあり、コンビは解散に追い込まれました。この時にりんたろー。も巻き込まれる形で3カ月超の謹慎処分を受けていたのです。そんな苦難の時期を経て新たなコンビで復活したからこそ、りんたろー。は劇場でネタを披露できる喜びを誰よりも噛みしめており、その発言には説得力があります。そんな彼が劇場の現状を憂いて声をあげたからこそ、周りも触発されるのでしょう」
そのりんたろー。は後輩芸人からのリプを受け、〈ちゃんとしたところで発信すれば「陰口」が「貴重な意見」に変わる!〉とツイート。その“ちゃんとしたところ”という入り口を立ち上げた功績は今後、若手芸人たちに語り継がれていくのかもしれない。
(白根麻子)