アメリカのシンクタンク、ランド研究所が2016年に発表した調査データによると、睡眠不足による日本の経済損失額は、最大で年間15兆円にものぼるといいます。これを改善するには、限られた時間で最大限の睡眠時間を確保すること。そのためにはスムーズな入眠と快眠が必須で、自分に合った“寝付きの悪さを改善する方法”を持っておくと、安心して眠りにつくことができます。そこで、昔からある入眠へと誘う方法と、最新のテクノロジーで実現した快眠サポートグッズを紹介します。
■ “おばあちゃんの知恵袋”的、眠りのためのハウツー3選
1.眠れない夜の定番──ホットミルク
体が温まり、リラックスできるホットドリンクは、寝る前に心を落ち着けて副交感神経を優位にする効果が期待できます。ホットミルクの他に、白湯や生姜湯などもオススメ。寝る1時間前くらいから、TVやPC、スマホの画面から離れ、ゆっくりとカップ1杯のホットドリンクを飲むとリラックスしやすいです。カフェインの含まれる飲み物や、寝る直前のがぶ飲みは避けましょう。
2.体を温める──足湯
入浴などで体を温めた後、体温が下がると眠気が起こります。入浴後に時間が経過して眠気が覚めてしまった場合などは、足湯などで再度温めると入眠しやすくなります。足先は冷えやすく、冷えは快眠の大敵ですので冬はとくにオススメです。
3.自律神経を整えリラックス──腹式呼吸
吸う息に合わせて下腹部を膨らませ(緊張)、吐く(弛緩)を繰り返す腹式呼吸は、体をリラックスさせる呼吸法のひとつです。気分が高揚したままで落ち着かない、足がむくみやすい、冷え性、血行不良といった、血液の循環が悪い人にもオススメです。
■現代版 手軽に始められるスリープテック5選
1.睡眠サイクルを管理できる睡眠分析アプリ
スマートフォン端末に内臓されている加速度センサーを用いて人の体動を感知し、眠りの浅いタイミングでアラームを鳴らすことにより、快適な目覚めをサポートする目覚ましアラームアプリです。
2.快眠音で心地よい眠りに誘うアプリ
リラックスできる癒やしの音で、入眠へと誘うアプリです。自分にとって心地よい音の組み合わせを自由にカスタマイズすることができるものもあります。
3.聴くだけで眠くなるオーディオブック
心地よい朗読で、聞いているうちに眠くなるオーディオブックは、ストーリーの中に眠くなる心理学的な仕掛けが組み込まれているものが多いです。
4.身体のリズムを把握して健康増進に役立てる指輪型デバイス
装着した人の健康状態をトラッキングする機能が搭載されている、指輪型のウェアラブルデバイスです。体温、心拍数、睡眠の状態をデータ化して、身体の状態を専用アプリに反映します。
5.AI搭載のアイマスク
睡眠中の脳波をモニタリング・測定、搭載されたAI機械学習機能で快眠にとって最適な音楽を作り出し、睡眠をサポートするアイマスクです。
なかなか眠りにつけない原因や快眠サポートグッズとの相性によって、取り入れたい入眠・快眠の方法は異なります。翌朝スッキリと目覚めることができる方法と出合うことが、睡眠の質を高める近道。ぜひ“これなら安心して眠れる”という方法をみつけてくださいね。
(美容・健康ライター Nao Kiyota)