小さな子どもがいる家庭では、部屋の中がおもちゃで散らかっているということがあるかもしれません。そんなとき、適当に片付けをして済ましてはいませんか? たかがおもちゃの片付け方…ではありません。実は、おもちゃの保管方法を工夫することで、子どもが自ら考えて手に取り、主体的に遊ぶことができるようになるのです。
■おもちゃはいつでも同じ場所に置く
おもちゃの片付け方は、ボックスの中に雑然としまうのではなく、本棚に並んでいる本のようにきちんと棚にしまうのがよいでしょう。いつでも同じ順番にしまうことで、子どもがどのおもちゃを使いたいかを自分で考えることができます。また、同じおもちゃで遊ぶためには、どこにしまったかを覚えておかなければならないため、記憶のトレーニングにも役立ちます。毎回同じ場所にしまうので、片付けをするところまで考え抜いて行わなければなりません。目的のおもちゃを手に取り、思う存分遊んだら元の場所に戻すところまで、すべての時間が思考力を鍛える時間になるのです。
■全てを棚にしまわなくてもいい
すべてのおもちゃを棚に並べるには、棚が狭過ぎる…という場合もあるでしょう。ですから、すべてのおもちゃをディスプレイする必要はありません。棚にあるもので遊び抜き、飽きてきたらボックスに入っている別のおもちゃと入れ替えるとよいでしょう。入れ替えるときには、「もっと面白い遊び方ができるかもしれないね~」と、新しい遊び場を作るように、ワクワクさせながら取り組みましょう。
■「今遊びたいもの」が子どもを成長させる
子どもたちは、不思議と今鍛えたい部分が鍛えられるおもちゃを選びます。腕を使ってものを投げることができるようになってそれが楽しい時期は、腕の力がしっかりついて自在に投げられるようになるまで、目の前のものを投げ続けて練習をします。納得のいくまでやり抜いたら、今度は足を使うものや頭を使って考えるものなど、次の興味に移っていきます。毎回目の前に出されるおもちゃを手に取って遊んでみては、これは違うと投げ出すのではなく、今の自分に必要なおもちゃを自分で選んで取り組むようになると、主体的に考えて遊ぶことができるでしょう。
おもちゃの片付け方一つで、子どもが自ら考えて行動するきっかけを作ることができます。ぜひ、今の興味にあわせて並べ、子どもがいつでも目的のものを手に取れるようにしてみてはいかがでしょうか。
(Nao Kiyota)