お笑い芸人のはなわが9月16日放送の「逆転人生」(NHK総合)に出演し、弟で同じくお笑いタレントのナイツ・塙宣之との秘話を明かした。
日本テレビ系「エンタの神様」やNHK「爆笑オンエアバトル」に出演して名を上げ、馴染み深い佐賀県の素晴らしさを自虐的に歌い上げた「佐賀県」で一気に大ブレイクを果たしたはなわ。しかし、兄と同じお笑いの道に進んでいた弟の塙には一向に売れる気配が無く、ある日母親からはなわに電話で「お兄ちゃんからお笑いをうまく辞めさせるように(説得してほしい)」と懇願されたという。
そこで、はなわは弟の塙と食事をしている席で「才能はあるんだから放送作家という道もあるんじゃないか」と切り出したところ、「初めて本気でキレる(弟を見た)。初めて反抗というんですか」と振り返り、温厚なイメージの塙が“マジギレ”したと明かしている。
「この兄弟は兄と弟で芸人としての売れ方やキャリアの歩み方が完全に対照的と言えます。はなわは当時流行っていたリズム芸やモノマネとの融合を巧みに生かした“トレンドネタ”を取り入れ、一気に時勢に乗りましたが、塙は常に正統派な漫才をベースにネタを披露し、王道を進んできました。一般的には話題性や斬新さを持つトレンドネタが売れるまでのスピードを速めるとされていますが、その分、人気の急降下を伴うというデメリットがあり、リズム芸で名を馳せていく兄を前にしながらも時間をかけて王道を続けた塙が最終的には息の長いタレントになっています。塙がマジギレしたというも“単にリズム芸で一発を当てただけの兄貴に言われたくない”との本音があったのかもしれませんね」(テレビ誌ライター)
また、テレビでは柔和な雰囲気を醸し出す塙の“激昂エピソード”には「それだけ強い想いと自信があったということでしょうね」「放送作家でも成功してたと思う」「長く安定するのは(兄ではなく)ナイツの方ですね」「ナイツの漫才は本当に上手くて面白い」との反応があり、色が強く出過ぎることのないナイツのベーシックな漫才を賞賛する声が多い。
今やM-1グランプリで松本人志ら大御所と並び、審査員をも務め上げる塙だが、その背景には長く辛い下積みの時代があったということだろう。
(木村慎吾)