2019‐2020フィギュアスケートシーズンのグランプリシリーズに先立って、チャレンジシリーズが始まっている。エントリーする強豪選手たちにとっては足慣らしともいうべき大会ではあるが、ファンにとっては新シーズンのプログラムのお披露目でもあり、それぞれのスタート時点の点数を見ることで、このシーズンの活躍を予測する意味でも大事な前哨戦だ。
「9月12日から14日にカナダで開かれた初戦のオータムクラシックでは、羽生結弦選手、紀平梨花選手の2人が優勝しました。第3大会のUSクラシックでも田中刑事選手、宮原知子選手が優勝、山本草太選手が2位となりました。続く第4大会のネペラ杯は坂本花織が2位、第5大会のドイツで行われたネーベルホルン杯では島田高志郎が2位という成績をあげています」(スポーツライター)
昨シーズンに続き、トップ選手は順調な仕上がりの様子だが、今シーズンは、特に女子が新たなステージに突入する可能性があるのだという。
「今シーズンは、ジュニアからシニアに初参戦するルーキーに注目の選手がいるんです。ナンバーワンの注目株は、シニアデビュー戦のネペラ杯で単発4回転ルッツ、4回転&3回転の連続トーループ、単発の4回転トーループという3本の4回転ジャンプに成功し、世界最高得点を更新する238.699点で優勝したアレクサンドラ・トゥルソワ選手です。また、ロンバルディア杯では、やはりシニアデビューのロシアのアンナ・シェルバコワ選手が4回転ルッツを美しく決め、14点もの高得点が入ったため、SPでは1位だった元世界女王のエリザベータ・トゥクタミシェワ選手を逆転で負かして優勝しました。今季は女子も4回転ジャンプの有無が大きな得点差に響きそうです」(前出・スポーツライター)
紀平選手のトリプルアクセル、アメリカのスポーツキャスターから「4回転がなくても素晴らしい!」とそのスケートの美しさを大絶賛された宮原知子選手の情緒あふれる表現力など、それぞれが持てる力を存分に発揮して、今季も日本選手の大活躍を期待したい。
(芝公子)