日本テレビは10月12日に放送を予定していた「天才!志村どうぶつ園」を中止し、急遽台風19号の上陸に関する報道特番に差し替える決断を下した。
日テレは同日19時から「宮古島に台風13号直撃!保護施設が壊滅的&白井家のヤギ脱走」などと銘打った特集を放送する予定だったものの、まさに同時期に史上最強クラスの台風19号が伊豆半島へ上陸し、関東一帯にも壊滅的なダメージをもたらすことが予想されていた為、突如として番組内容を変更。「NNN報道特番」へと切り替え、随時台風19号に関する最新情報を伝える方針とした。
「日テレはこの『志村どうぶつ園』だけでなく、12日に放送を開始する予定だったアニメ『僕のヒーローアカデミア』や『名探偵コナン』も休止する決断を下していますが、ネットではこうした日本テレビを含む各放送局の臨時的な対応に対して、違和感を指摘する声が多く出ています。『九州に台風や地震が起きたときと、報道が違いすぎる』『日本は関東地方だけで出来ているの?』『東京に影響する時だけ、こういう対応をする事に違和感を覚えるなぁ』『関東以外に台風が直撃する時も同じ対応をしてほしいものです』など、災害が起こる地域によってテレビ局の扱い方が大幅に異なるのはおかしいといった反応です。やはり先日の千葉県鋸南町を襲った台風被害を各テレビ局がかなりのタイムラグで報じたことが仇となり、今回の報道姿勢との明らかな差を痛感する人が多く出てきてしまいました」(テレビ誌ライター)
ただし、政治と経済の中枢を含み、多くの国民が暮らす関東一帯が壊滅的な被害を受けた場合、それを報じずには居られないというテレビ局の事情も理解できる。
重要なのは、必要な情報を必要なエリアへ迅速に届けるという作業であり、その然るべきマスメディアの恩恵を受けられない国民が出てしまうのを防ぐということだ。東京都を中心として考え過ぎるのではなく、各テレビ局には全ての国民が満足できるような報道姿勢を貫いてほしいところである。
(木村慎吾)