NHKの大河ドラマ「いだてん~オリムピック噺~」の第39話が10月13日に放送され、裏番組「ラグビーW杯 日本×スコットランド」(日本テレビ系)が、平均39.2%の高視聴率をマークしたことから、みずからの大河ドラマワースト記録を更新する3.7%を記録。しかしその一方で、番組を観た視聴者からは、絶賛する声も数多く上がっている。
「先週の放送で古今亭志ん生(ビートたけし)が脳出血で倒れ、家族や弟子たちが騒然。今週一命をとりとめた志ん生が、弟子の五りん(神木隆之介)に戦時中に満州に慰問興行にいった際、五りんの父・小松勝(仲野大賀)と出会ったエピソードが明かされ、大河ドラマ初回に語られた“五りん弟子入り”の壮大な伏線の回収に“神回”の声も上がっています」(スポーツ紙記者)
若かりし頃の志ん生・美濃部孝蔵を演じる森山未來も「いきなりほぼ全編が志ん生・孝蔵のシーンになっていて驚いた」とした上で、「ここまで話の中で、ばらまかれていた壮大な伏線の回収がここで行われるというのは、すごいな」とコメント。
またソ連軍が攻め込んで来る、明日をも知れぬ状況で行われた慰問興行の場面も話題に。
「共に満州に渡った三遊亭圓生(中村七之助)の落語『居残り佐平次』から、志ん生(森山)の落語『富久』、そして『富久』を聞いて感動のあまり小松(仲野)が街中を疾走。ソ連兵に撃ち殺されてしまうドラマティックなシーンを観た視聴者からは『“懐かしの満州”はこれまでの“いだてん”の中でも、ベスト5に入る出色の出来』『しばらく放心状態。これ以上言いませんが視聴率なんかどうでもいい』といったコメントがネット上でも躍りました」(前出・スポーツ紙記者)
今回演出を担当した大根仁監督は、2010年に放送された大ヒットドラマ「モテキ」(テレビ東京系)、そして翌年公開された映画版でも森山とコンビを組んだ仲。
「大根監督は森山の演技に対して『いつも放置プレイ』とした上で、今回の演技についても『最高の、いやそれこそ絶品でした』と高く評価。何かと低視聴率を揶揄されますが、ネットでは『“いだてん”は日本ドラマ史上に残る名作だから、視聴率をいうのは野暮の骨頂』『脚本・演出全てにおいて最高傑作なのにね。毎週見てる私は勝ち組やね』といった声が上がっていることも事実です」(夕刊紙デスク)
「いだてん」は記録にこそ残らないが、記憶に残る大河ドラマとなりそうだ。
(窪田史朗)