歌ってよし、踊ってよし。嵐・大野智は、ジャニーズタレントならできて当然の2つに加えて、芸術作品の創作、コリオグラファー(振付師)としての才能も併せ持つ。嵐はこの夏、日本テレビ系列の「24時間テレビ」で、6年ぶり史上最多5度目のメインパーソナリティーを務めたが、大野はチャリTシャツをデザイン。タレントとしては最多の4度目だった。
テレビ関係者が振り返る。
「大野さんがチャリTシャツを初めてデザインしたのは、嵐が初のメインパーソナリティーを務めた04年。23歳でした。小さな子どもが大きなバーベルを持ち上げる絵で、ベンプレの中央には“可能性”の文字がありました。不可能が可能になる瞬間というメッセージを込めたそうです。驚くのは、着想にかかった時間がわずか30分だったこと。アートの才能は、このころすでに開花していたのです」
2度目は、12年。現代美術家・奈良美智さんとのコラボレーションだった。続く3度目は、13年。前衛芸術家・草間彌生さんと初めて手を組んだ。ここで、とんでもない記録を叩きだしている。
「現在、チャリTシャツの売り上げ枚数および総額は秘密にされていますが、まだ公開されていたころでは、大野+草間が歴代トップでした。1枚1500円のTシャツが公称124万枚も売れたので、単純計算でざっと18億6千万円。草間さんが抜群の知名度だったうえに、Tシャツそのもののセンスの良さ、嵐が24時間にわたって着用した宣伝効果が、モロに数字に表れました」(前出・テレビ関係者)
嵐のなかでも大野は数字を持っていることで有名だ。表紙を飾った雑誌は軒並み売り上げが伸び、完売することも珍しくない。15年に、2度目の作品展「FREESTYLE II」を開催し、同タイトルのアート作品集を出版すると、週間売り上げが11万5千部を突破。それまでの首位だった「上地雄輔フォト&エッセイ『上地雄輔物語』」(08年7月発売)の8万7千部を上回った。
男性写真集の歴代売り上げNO.1はこの上地で、累計32万2千部でぶっちぎり。2位が「嵐5大ドームツアー写真集 ARASHI IS ALIVE!」で、3位が大野の「FREESTYLE II」。作品集であるにもかかわらず、17万8千部も売った記録は奇跡に値する。
嵐は、活動休止を発表した今年1年だけで500億円以上の売り上げが見込まれている。活動休止のカウントダウンが始まる20年は、改修後初の国立競技場ライブで前人未到の連日記録を打ち出すかもしれない。ドル箱スター、嵐。大野はそのなかでも、トップなのだ。
(北村ともこ)