メジャーデビューから9年目で、Kis-My-Ft2が「第70回NHK紅白歌合戦」(NHK)への初出場を決めた。今年は2年連続で全国5大ドームツアーを成功させ、ゴールデンタイムにレギュラー番組「10万円でできるかな」(テレビ朝日系)が初進出。ジャニーズタレント初となるニッポン放送の長寿ラジオ「Kis-My-Ft2のオールナイトニッポンPremium」のパーソナリティーも好評だ。
紅白の出場歌手発表会見で代表コメントを多く出したのは、最年長34歳の北山宏光。今年はソロ活動が絶好調だった。2月に主演映画「トラさん~僕が猫になったワケ~」が封切られたのを皮切りに、10月には2年ぶりの主演舞台「THE NETHER」が幕開け。同月には主演連ドラ「ミリオンジョー」(テレビ東京)が開始し、主題歌でキスマイのシングル「Edge of Days」はヒットチャートランキングで首位をゲット。デビュー曲「Everybody Go」から通算25作連続トップだ。
北山は、今でこそキスマイの頼れるリーダー。だが、デビュー前は手が焼けるジャニーズJr.だったと、アイドル誌のライターが振り返る。
「滝沢秀明が舞台『DREAM BOYS』の主役だった05年、北山はKAT-TUNの中丸雄一とずっと楽屋でふざけ合っていました。目に余ったのか、滝沢は北山だけを打ち上げの場に呼びました。でも、怒るどころか、仲間に囲まれて終始笑顔。その姿がカッコよかったので、意を決した北山はタッキーに連絡先を聞き出し、以降はプライベートで食事、旅行、ダイビングまでする仲になりました」
10年の舞台「新春人生革命」の本番中、滝沢がロープアクションで落下するアクシデントが起こった。このとき、下にいた北山が咄嗟にクッションになって、座長の命を救っている。
「あれは、子が親へ恩返しした瞬間だったといえるでしょう。そもそも、北山はかなり出来の悪いJr.でした。最初は挨拶もしなかったといいます。でも、滝沢は『挨拶しないくらいがちょうどいい』、『頭ごなしに怒られるのは僕も嫌なので、後輩にもしない。時間をかけないとダメ』という故・ジャニー喜多川元社長にインスパイアされた育成論にのっとって、北山さんを叱るのではなく、個性を伸ばしたんです」(前出・アイドル誌ライター)
滝沢はかつて、ケンカした後輩を仲直りさせる術として“キスの儀式”をもうけた。キスをさせることで、見えない壁を超えられるという持論に基づいたものだ。北山はその“犠牲者”の1人でもある。
滝沢秀明という庇護のもと、幾度となく訪れた退所の危機を免れてきた北山。今年の大みそかは、“師匠”がタキつば時代に叶えられなかった紅白出場の夢を背負って、NHKホールの夢舞台に立つ。
(北村ともこ)