お笑いタレントのオール巨人が12月23日に自身の公式ブログ「オール巨人の一笑懸命・フルスイング」を更新し、22日に開催された「M-1グランプリ2019」を振り返っている。
今年も審査員として参加し、漫才の頂点を目指すコンビに次々と愛の鞭を打った巨人。「M-1の帰りです。」と題したブログ記事の中では、芸歴13年目ながら、2019年にテレビで漫才をするのがM-1決勝当日となったミルクボーイが華麗なる優勝を遂げたことについて、「本来の埋もれた未だ見ぬスターを発掘すると言う意味では最高のM-1だったと思います!」と総括すると、お笑いファンの間では知られた存在だったが、「昨日初めて(ミルクボーイを)観た方は、登場した時、未知の生物を見る感じだったでしょうね」とも綴った。
また巨人は、一般的にはほぼ無名の状態で参加し、一夜にしてヒーローとなった2人に「ミルクボーイおめでとう ホントに良かった」と祝福のメッセージも添え、M-1決勝初出場組から優勝者が出るという波乱の展開となった同大会の結末に満足している様子だ。
「2019年にM-1グランプリ以外でテレビでの漫才を披露する機会のなかったコンビが、大会史上最高得点を叩き出したという事実は、まだまだテレビがお笑いの世界で質の高いスカウティングができていないことを示す何よりの証拠です。そしてこういった問題を少しでも解消する為に発足したのがM-1であり、巨人が指摘する通り、M-1の本来の方針は日の目を見ていないダイヤモンドの原石を探し求めるというもので、かつて大会出場資格を結成10年以内のコンビに限定していたのもその理由です。また、M-1史上のハイライトとして語られることの多い2007年度大会の敗者復活から優勝を遂げたサンドウィッチマンのように、それまでスポットライトを浴びていなかったコンビが下克上のごとく実力1本でのし上がっていくストーリーこそ、視聴者を熱狂させる大きな要因の一つでした。今大会は決勝出場コンビの大半が初出場となり、まさに波乱の大会。それでいて、決して大会レベルを落とすことなく、複数の審査員が“史上最高レベル”と驚嘆していましたから、結局はM-1に求められるスタンスというのは、先入観なき実力者の発掘なのかもしれません。何年にもわたって優勝候補であり続けた常連組の和牛が、初出場のぺこぱに3位の座を奪われた事態こそ、今大会を象徴するような出来事だったと言えるでしょう」(テレビ誌ライター)
また、ネットからも「キャラや知名度の人気投票ではなく、漫才の優劣をつける素晴らしい大会でした」「一夜でスターになれる。これぞM-1グランプリ」「ミラクルボーイになった」「これぞM-1だと再認識しました」との声が寄せられ、バラエティー番組を含むメディアへの出演が多いコンビに有利に働きつつあったとされる同大会が本来のスタンスに立ち帰ったと喜ぶファンも多い。
和牛やかまいたちといった大本命コンビにとっては不運だったかもしれないが、“本命なき”M-1こそ、世間だけでなくベテランの審査員までもが熱望する本来のM-1の姿なのかもしれない。
(木村慎吾)