12月21日放送の「悪魔の手毬唄~金田一耕助、ふたたび~」(フジテレビ系)で陰のヒロインと呼べる“美しき殺人鬼”青池リカを演じた寺島しのぶ。リカ役はこれまで、1977年公開の石坂浩二が金田一を演じた映画では岸恵子、1990年放送の古谷一行が金田一を演じたドラマ版では有馬稲子、2009年放送の稲垣吾郎が金田一を演じたドラマ版ではかたせ梨乃など、いわゆる美人女優が務めてきた。そのため放送前は「寺島には荷が思いのでは」と指摘する声もあったが、それは杞憂に終わった。
「このドラマには他にも、斎藤由貴、国生さゆり、有森也実というアラフィフ美人女優が出演していましたが、寺島はその3人も完全に食っていました。地を這うようなかすれ声を出してみすぼらしい老婆にしか見えない扮装をして、間近で見たら吹き出してしまいそうな加藤シゲアキ演じる金田一耕助を相手に、シリアスかつ凄みのある場面を作り、自分の生きざまや魂をさらけ出すような迫力は、テレビドラマに出演することが多い俳優女優とは一線を画していました」(演劇誌ライター)
日本アカデミー賞最優秀主演女優賞をはじめ、数々の賞を受賞してきた寺島。今回の作品で、改めてその実力を世に知らしめたようだ。