定年後も社会で活躍する世代が増えてきた昨今。豊富な経験から若手にアドバイスを渡す立場として、また即戦力として高齢世代が活躍する職場も増えていますね。20~40代の若手世代は、働くシニア世代やシニア世代と共に働くことについて、どう感じているのでしょうか。
ワークポート社が2019年11月、全国の20~40代の転職希望者273人を対象に行った「働くシニア世代(50歳以上)のイメージ」についてのアンケート調査を行いました。その対象者のうち、今までシニア世代と一緒に働いた経験があると回答した244人を対象に、「一緒に働くシニア世代は自身にとってどんな存在か」と尋ねた結果、「とても尊敬できる」(20.1%)、「やや尊敬できる」(51.6%)が合わせて71.7%。「あまり尊敬できない」(22.1%)、「まったく尊敬できない」(6.1%)が合わせて28.2%だったそうです。
また、同対象者に「シニア世代と一緒に働くメリットとデメリット」を尋ねた結果、メリットとしては、長年培ってきた経験や知識を教えてもらうことで自身も成長できるとの意見が最も多くあがり、デメリットとしては、価値観の違いからなる考え方の相違によって円滑なコミュニケーションをとることが難しいとの意見が多くあげられたといいます。
一方、今までシニア世代と働いた経験がない、もしくは分からないと答えた29人に、シニア世代と一緒に働いてみたいと思うか聞いたところ、「とても思う」(13.8%)、「やや思う」(41.4%)が合わせて55.2%。「あまり思わない」(31.0%)、「まったく思わない」(13.8%)が合わせて44.8%と、慎重派も4割以上となり、「先入観かもしれないが、昔からの考えが根付いていて新しいものに対応できない気がしてしまう」(20代・女性・事務)、「昔の風潮を押しつけられそうだから」(20代・女性・接客販売)といった意見も出たそうです。
対象者全員に定年制の廃止に賛成するかを尋ねた結果、「賛成する」(35.2%)、「どちらかといえば賛成する」(41.8%)が合わせて77.0%。「どちらかといえば反対する」(16.8%)、「反対する」(6.2%)が合わせて23.0%と、肯定派が多い結果となったそうです。実際に高齢世代と共に働いてみて実感できるメリットや、自身も定年後に活躍したいという期待が込められているのかもしれませんね。
生きてきた時代が違えば、考え方が違ったりコミュニケーションが難しいと感じたりする場面もあります。でも逆に、多様な考え方を結集して新しいものを生み出すことも可能になりそうですね。
シニア側は意見の押し付けにならないように、また若手からも学ぶ姿勢を忘れないように接し、若手側はシニア世代の貴重な意見を大切に、若手だからこそ生み出せるアイデアを加えることで、お互いを生かしながら組織としての力を高める企業が増えていきそうです。
(Nao Kiyota)