長谷川博己主演の大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK)の第17話が5月10日に放送され、平均視聴率14.9%を記録。“マムシの道三”こと本木雅弘演じる斎藤道三の最期に、多くの視聴者が心を打たれた。
第17話は、黒衣をまとう道三(本木)と甲冑姿の息子・高政(伊藤英明)が最後の戦いを繰り広げる“長良川の合戦”を描いた前半の最大のクライマックス。見所は道三と高政の一騎打ちで、「父の名を申せ」と詰め寄る道三に対して、殺すつもりのなかった道三を「討て」と命じる高政。槍を振りかぶり高政に迫る道三は切られながらも高政の元にたどり着き「我が子、高政、愚か者。勝ったのは道三じゃ」と呟き力尽きる。この場面に、本木自身もツイッターで「高政にぶつかるように倒れこみ、道三は最後を迎えました。その姿は、もしかすると最初で最後の、父と子の抱擁に見えたかもしれません」とコメントを残している。
この震えるようなシーンに視聴者からは「あの存在感のある道三は、本木さんにしかできないもの。ああ道三ロスだぁ」「最後まで美しかった…本木道三ロス」「例に漏れずまんまと斎藤道三ロスですよ」といったコメントがネット上にあふれた。
「斎藤道三は油売りから身を起こし、一代にして美濃の国盗りに成功した戦国大名と言われて来ましたが、新しい研究によって、美濃を手中に収めたのは道三の父・長井新左衛門尉との二代で成し遂げたとの説が有力になっています。今回の大河ではその説に則り、本木が道三を繊細な独自の表現で演じ、制作統括を務める落合将氏もその芝居を目の当たりにして『“新しい真の二代目道三がいる”と震えるくらい嬉しかった』と話しています」(テレビ誌ライター)
道三が死に、次回からはいよいよ越前編がスタート。これまで、“本木道三”の陰に隠れて今ひとつ目立たなかった“長谷川光秀”。そろそろ長谷川にも、道三ロスを吹き飛ばすような主役然とした活躍を期待したいところだ。
(窪田史朗)