一大音楽グループのエイベックスを一代で築き上げた松浦勝人氏。5月14日に発表した「CEO退任」の報は音楽業界を揺るがせた。現在56歳の松浦氏は、まだクリエイティブに参加できる年齢の内に経営者のポジションを辞し、音楽制作とその関連事業に専念すると表明している。
ところが、音楽業界でさまざまな憶測が渦巻く中で、世間は今回の退任劇に意外な反応を示しているという。音楽ライターが指摘する。
「松浦氏は5月15日、26万人のフォロワーを持つツイッターにて『avex CEO退任の真意と僕のこれから』とつぶやき、1400字近くに及ぶ長文コメントへのリンクを張りました。業界人には必読と言えるコメントですが、なぜか世間の反応は鈍い。投稿から3日経って“いいね”の数は4300件あまり。松浦氏の知名度と社会的影響力から考えれば“少なすぎる”数字に留まっているのです」
松浦氏による他のツイートを眺めてみると、5月11日に発した「浦田直也の修行とは」には7000件超、16日につぶやいた「古市くんからLINEが来た」という何気ない報せにも4600件超のいいねがついている。つまり世間は松浦氏の退任よりも、AAAを脱退した浦田や社会学者・古市憲寿氏との交遊のほうが関心事ということなのだろうか。
「これも時代の流れかもしれません。これが浜崎あゆみの全盛時だった2000年代であれば、松浦氏のトップ退任は超ド級のニュースとして誰しもが注目したはず。しかしエイベックスが巨大企業となるにつれ松浦氏への注目度が相対的に小さくなり、浜崎のファンも30~40代と高齢化し、ネット世論の中心世代ではなくなっています。浜崎の半自伝ドラマ『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日系)でも、最も話題になるのは田中みな実の眼帯姿というありさまです」(前出・音楽ライター)
田中みな実についてつぶやけば、より多くのいいねがつきそうだ。
(白根麻子)