1995年の夏期に放送された金曜ドラマ「愛していると言ってくれ」(TBS系)の「2020特別版」が5月31日から4週にわたって放送され、大きな注目を集めている。
「このドラマは、聴覚障害を持つ画家・榊晃次(豊川悦司)と女優を目指す水野紘子(常盤貴子)の純愛物語。当時、全話平均視聴率21.3%、最終回は28.1%の最高視聴率をマーク。DREAMS COME TRUEの歌う主題歌『LOVE LOVE LOVE』の売り上げは250万枚を突破してこの年のオリコン年間第1位に輝くなど、記憶にも記録にも残る作品となりました」(テレビ誌記者)
6月7日の第2弾では、第4話から第6話までをノーカットで放送。さらに豊川と常盤のリモート対談やドリカム・中村正人のインタビューもあり、当時のドラマの裏話に花を咲かせた。その中で話題の中心になったのが、耳の不自由な晃次のために生まれた様々な恋愛アイテムだ。
「第5話で紘子は、晃次と連絡を取れるように当時12万5000円もする高額のFAXを購入するも、メールほどリアルタイムではないため、現代では起こりえない“すれ違い”が起き、『リモート対談』で常盤は『タイムラグの“愛おしさ”みたいのがありますよね』といえば、『彼らが頑張って工夫している姿がすごく微笑ましい』と豊川もコメント。“ハンディキャップは個性”と言われる現代の先駆けとなったこのドラマには、アイテムだけでなく、今の時代では考えられない恋愛の機微が詰まっていました」(エンタメ誌ライター)
裏話の中でさらに驚かされたのが、企画当初は常盤貴子演じる紘子が聴覚障害の役を演じるはずだったという事実だ。
「同ドラマの貴島誠一郎プロデューサーがインタビューに答えたところによると、豊川に出演交渉をした際、『僕が聴覚障害ではいけませんか』と提案されたものの変更も難しく、即答しなかったのだとか。別れ際に、手を振る豊川の手のひらが大きくて指もキレイで、あの手で手話をしたら魅力的ではないかと脚本家の北川悦吏子氏に提案したことを明かしています」(前出・テレビ誌記者)
実際にネット上には、「2020特別版」を見た視聴者から「手が、指が綺麗!」「すごく魅力的な手だよね」「手が大きくてときめいてしまう」「トヨエツの手話の美しさよ」などのコメントが多数書き込まれている。
25年前のドラマが、令和の若者の心にも確実に届いているようだ。
(窪田史朗)