「新しい地図」として活動している3人のなかで唯一、草なぎ剛だけはSMAP時代から変わらず地上波にレギュラー出演している。「ブラタモリ」(NHK)のナレーションである。
振り返れば、SMAPが解散した翌17年以降、香取慎吾、稲垣吾郎の民放レギュラー番組は軒並み終了していった。草なぎも、ユースケ・サンタマリアとのコンビで20年近く続いたバラエティ番組「『ぷっ』すま」(テレビ朝日系)が、18年に終了。それでも、「ブラタモリ」のレギュラーだけは継続された。タモリとの緊密な関係により命脈を保ったのだろう。
「2人は『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に95年、草なぎが加わってからの縁。一時期は養子縁組の噂が出たほどの関係の深さと長さです。草なぎが年末年始にタモリ邸で連泊するのは有名で、他のSMAPメンバーと一緒になることも珍しくなかったといいます。タモリが自ら手料理を振る舞い、奥さまは何度か草なぎのパンツを洗っています」(芸能ライター)
強固な絆があって実現したことも多い。いいともが放送されていた12年7月21日から7月22日にかけて、「FNS27時間テレビ 笑っていいとも!真夏の超団結特大号!!徹夜でがんばっちゃってもいいかな!?」が生放送された。総合司会を務めたのは、同番組の初回司会者のタモリ。およそ25年ぶりに65歳(当時)で再び任されることになった。不眠不休でがんばるタモリに合わせるように、草なぎは目玉企画である100kmマラソンに挑戦。小雨が降るなか、見事に完走している。
SMAP最後のレギュラー番組となった「SMAP×SMAP」(フジ系)の料理コーナー「BISTRO SMAP」のファイナルのゲストもタモリだった。飲酒が原因で不祥事を起こしていた草なぎは、以降5年間、酒を断っていた。だが、タモリが「禁酒もういいよ、今日から。解禁だよ」と声を掛けたことで、本番中にビールをゴクリ。相手がタモリでなければ実現しなかった6人の乾杯だった。
「タモリが草なぎに居心地の良さを感じているのは、お互いに芸能人オーラがないところでしょう。2人が駅で待ち合わせたとき、お互いにオーラがないもんだから、出会うことができず、周囲の人がいなくなったときにようやく、『あっ、おまえ』と気づいたといいます。小柄で目立たないというのも理由でしょう」(前出・芸能ライター)
「ブラタモリ」のナレーターは、タモリが直接草なぎに連絡を入れて、決められたという。SMAPが解散しても途切れなかったのは、“親子”の関係性そのものを表している。
(北村ともこ)