元SMAPの香取慎吾が息を吹き返している。最近だけで3本のCMに出演。「新しい地図」として共に活動している稲垣吾郎、草なぎ剛とは「ロト&ナンバーズ」のCMに出演しているが、ソロでは「キットカット」と「サントリー天然水 スパークリングレモン」「サントリー天然水 Clearレモン」の2種類、3本に出演している。
さらに元日には初のソロアルバム「20200101」をリリース。4月29日に埼玉・さいたまスーパーアリーナで予定していたソロコンサートは、新型コロナによる緊急事態宣言を受けて白紙になったが、大車輪の活躍と言っていい。
マルチなエンターテイナーと呼ぶにふさわしい香取。そのルーツは、“キングオブポップ”ことマイケル・ジャクソンにあるようだ。
「香取は88年12月、ジャニー喜多川さんにマイケルの東京ドーム公演『バッド・ワールド・ツアー』に連れて行ってもらいました。弱冠11歳にして、最前列という贅沢。数人のジャニーズJr.と共に観賞し、『行って始まっただけで興奮して、キャーキャー僕も言いながら見てたら、マイケルが僕を見てくれた』と、のちに語っています。そして『こんなステージの上に俺も立ってみたい』と、誓いにも似た気持ちを抱いたそうです」(アイドル誌ライター)
その頃、ジャニーズの稽古場で流れていたのはマイケルの大ヒットチューン「BAD」だった。
やがて、香取が属するSMAPは日本を代表するトップアイドルになった。96年にはゴールデンタイムでグループ初の単独冠バラエティ番組「SMAP×SMAP」(フジテレビ系)がスタート。そして同年、マイケルを見た東京ドームのステージにSMAPの単独コンサートでようやく立つことができた。
「香取はそのリハーサル時に、ステージに手を付けて『やっとここまで来たよ、マイケル』とつぶやいたそうです。それから10年後、スマスマの収録スタジオにマイケルが現れる“事件”が起きた。スタッフがメンバーに内緒で進めていたドッキリで、5人は呆然。最後は一緒に写真を撮り、サインをもらい、香取はそのときマイケルが使ったサインペンを持って帰っています」(前出・アイドル誌ライター)
スマスマはSMAPの解散にともない、16年12月に惜しまれながら終了。フジテレビのスタジオで最後に5人で「世界に一つだけの花」を歌ったあと、香取はステージに手を付けて「1回ステージ下ります、マイケル」と言葉にした。そして昨年2月、「新しい地図」で初めて開いたファンミーティングでおよそ3年ぶりにステージに“帰還”したとき、「マイケル、また戻ってきました」と報告したという。
香取にとって、節目には欠かせないマイケル。次にどこかのステージに立つとき、再び手をかざしながら、心のなかでメッセージを送るに違いない。
(北村ともこ)