まだテレワークを継続している人もいるかもしれません。こんな上司に困っていませんか? それは、テレワーク中、チャットやメールもあるのに、何かと電話ばかりしてくる上司です。
「それってチャットで済んだんじゃ?」と思うことばかりだと、うんざりしちゃいますよね。チャットやメールなどのデジタルにうといのは分かっているものの、イライラすることもあります。こんなときのスマートな対処法を、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんにうかがいました。
「上司からすれば、キーボードを打つより電話のほうが早くて楽だし、回答もすぐ得られますし、伝えたいこともすぐに伝わって相手の反応も分かりやすい、という気持ちから行っていることでしょう。また、腱鞘炎でキーボードを打つことがしんどい、眼精疲労などからできる限りPCやスマホの画面を見ないようにしたいのかもしれません。部下のあなたの立場に立てば、電話は迷惑と思うときもあると思いますが、前述のように体調の問題で電話をしている場合もありますので、そこは理解してあげる寛容な心を持つことはマナーのひとつといえます」
「マナーの本質は『相手の立場に立つ』ことです。相手への思いやりの心、優しさを持つことです。『この上司は電話好きな人』と思って大きな心で対応してさしあげると、きっとあなたにはその後に思ってもみないご褒美が舞い込むと思います。私も以前は『面倒』とか『理不尽』『不本意』など、さまざまな感情を持ちながら仕事をしてきましたが、それをすべて『相手の立場に立つマナー』として、思いやりの心で対応すると、思ってもみない幸運な出来事が起きるということを何度も経験しています」
困った上司の行動は受け止めてあげて、思ってもみない幸運な出来事、ぜひ手に入れたいものですね。
「一方、マナーはお互い様ですから、もちろん、上司にもマナーは必要です。『忙しいところごめんなさいね。電話してしまって……』などの一言はあって欲しいですよね。言いたいことがあれば、相手を尊重しつつ、自分の伝えたいことをはっきりと伝えるアサーティブ・コミュニケーションをとりましょう。そして、どうしても上司に改善を促したいときには、『○○さん、申し訳ございません。お手数おかけして恐縮ですが、重要な日程や金額、住所などの情報は、メールでいただけますとありがたいのですが…』と、『相手の名前+断りのひと言+クッション言葉+理由+伝えたいこと』の順番で、伺いの姿勢を心がけながら尋ねてみましょう」
「相手によっては、それを快く受け入れてくれない人もいるかもしれません。それを承知のうえで、伝えることにはまったく問題はありません。マナーは、相手がどう受け取るかで結果が変わってくるものですから、相手次第という面が多分にあります。自分の意見を受け入れてもらえなくても落ち込むことはありません。気にしないことです」
そして、西出さんは「今の時期だからこそ自分磨きをする」ことを勧めています。
「今、新型ウイルスの問題などで、個々にストレスがたまっているかもしれませんが、そういうときこそお互いがお互いを思いやるときでもあります。ここで相手を思いやり、自分磨きをする人とそうでない人の差は今後大きくなり、二極化されていくことでしょう。明らかに上司の問題であることでも、ここは一歩引き、上司をたてて気にしない。自分作りをすることは、あなたが幸せ行きの乗り物に乗ったことになるのです。ぜひ、終点の幸せ駅に到着してください」
しつこく電話ばかりしてくる困った上司に対して、どう対応するかが自分の幸せを決めるポイントといえそうですね。ぜひヒントにしてくださいね。