櫻井翔がインテリなら、相葉雅紀は天真爛漫、松本潤はストイックで、二宮和也は天才俳優、嵐の役割は実に明確だ。リーダーの大野は芸術家。およそ26年間のジャニーズ歴で、個展開催や作品集の出版などで多くの芸術活動をしてきた類まれな存在だ。
またコリオグラファー(振付師)としての顔も併せ持ち、嵐や自身のソロソングに振りを付けてきた。ダンスも歌もピカイチ。ダンサーとしての才能は10代のジャニーズJr.時代に開花させていた。だが、受講態度は最悪だったという。
「歌とダンスが好きだから入った芸能界ですが、長く続ける意思はまったくなかった。Jr.時代は、ダンスレッスン中の態度が悪いことで有名。鼻クソをほじって、踊るJr.たちをボーッと見ていたこともあったそうです」(芸能関係者)
目に余る態度の悪さに、ダンスのインストラクターが「真剣にやれ! 今までにほかのJr.が踊ったことを1人で踊ってみろ」と、大野に恥をかかそうと命令した。すると大野は、完璧なコピーで踊ってみせた。この時のことは今も伝説として、Jr.の間で語り継がれている。
その悪童ぶりに目を白黒させたのは、小学6年生で入所した山下智久だ。
「その日の大野はリハーサル中、スタジオの端のほうで漫画を読んでいたそうです。インストラクターから『大野、漫画読んでんじゃねぇ』と怒鳴られても微動だにせず。その後も動かずにいると、インストラクターから物を投げられた。それでもなお漫画を読んでいると『帰れ!』と言われたので、スタスタと出口のほう歩きだしたとか。最終的には『帰るな!』と声を荒らげて止められたそうです」(前出・芸能関係者)
やる気はないが、根拠なくトガっていた。そんな大野と同じニオイがするJr.が、翌年に入所してきた二宮だ。猫背で、反抗的な視線だった10代の二宮も、同じインストラクターから「帰れ!」と叱られ、こちらは本当に帰ってしまった。ちなみに櫻井は、そのインストラクターから「櫻井、俺はおまえのことが嫌いなんだよ。ムカつくんだよ!」と罵られている。
アイドルなら誰しも通る暗黒の時代と反抗期。大野の場合は、ほかのメンバーより振り幅は特大だったのかもしれない。
(北村ともこ)