お笑い芸人・ナイツの塙宣之が、自身のYouTubeチャンネル「ナイツ塙の自由時間」で公開している、「M-1審査員のネタ添削大公開」と題した、若手芸人の漫才のネタをガチで添削するという企画が大きな話題になっている。
塙は、「アメトーーク!」(テレビ朝日)の「スマホじゃない芸人」に出演していたほどアナログなタイプだったが、今年の6月にガラケーからスマートフォンに乗り換え、TwitterやYouTubeなどSNSも積極的に活用している。
YouTubeチャンネル「ナイツ塙の自由時間」では、M-1グランプリの最下位を勝手に決めてみたり、リモート漫才を披露したりと、塙ならではの内容を公開し続けている。
7月15日に公開された動画「【ガチ】ナイツ塙 M-1審査員が若手のネタを本気で添削してみた」では、4組の若手漫才師から送られてきたネタを、塙が赤ペンを片手に本気で添削。この動画が大きな反響を呼び、チャンネル登録者数は5万人へと増え、18日にはネタ添削動画の第2弾を公開している。
「ナイツ塙は2019年に、新書『言い訳 関東芸人はなぜM-1で勝てないのか』(集英社)を執筆し、10万部を超える異例のヒットを飛ばしました。塙の現代漫才論の巧みさは本のヒットでも証明されましたが、YouTubeチャンネルは、いまひとつ登録者数が増えなかった。例えば、霜降り明星のYouTubeチャンネルの登録者数は90万人以上、EXITの登録者数は63万人以上…といった中で、塙の登録者数は、ネタ添削動画の影響で増えたとはいえ5万人。しかし、塙のネタ添削動画は、漫才の添削がまるで日本語の話し方講座のようで参考になると話題になり、日頃からYouTubeを視聴していない層や、お笑い好きではない人にも広まりました。
SNSでは『塙さんの添削が、余りにも的を射ていて感服してしまう』『“マジ”“~じゃん”みたいな言葉遣いをしない方が話し上手に聞こえる、本題に早く入った方がいい、分かりやすい話題から入たほうがいい……など、漫才の添削だけど、日常会話でも参考になる』『塙が言う、言いたいことは1つに絞る、キラーワードを作る、ボケのパターンを統一する…など、会社のプレゼンや企画書にも役立つ講義だな』『漫才を、笑えるか笑えないかでしか見たことないから、添削という視点で見られるのはかなり興味深い』『1分半の漫才の贅肉、統一性や指向性のない部分がバサバサ削られていくので“このシナリオで何が言いたいの?”とか言われことがあるライターは必見』などと、幅広い層から反響が集まりました」(エンタメ誌ライター)
お笑いファンだけでなく、ビジネスパーソンやシナリオライターなど、思わぬ層にまで刺さった、塙の漫才の添削。YouTubeチャンネルの登録者数の少なさなど気にせず、今後もどんどん動画を公開してほしい。
(金宮炭子)