小中学生時代に芸能事務所で実績を積んで、ジャニーズ事務所に移籍したタレントは少なくない。ジャニーズJr.のままで花を咲かせられない者もいるが、山下智久や滝沢秀明、KinKi Kidsの堂本剛はデビュー後、大きく開花した。
堂本剛はジャニーズ入所前、地元・関西の児童劇団に所属する子役タレントだった。「堂本直宏」という芸名でおよそ4年間、活動。デビュー直後の8歳のとき、当時、関西ローカルで放映されていたダウンタウンの主演ドラマ「ダウンタウン物語」(MBSほか/87年)の3話に出演。浜田雅功の幼少期を演じている。
「剛が演じたあるシーンがのちに注目を集めました。ガキ大将だった浜田が友達と鬼ごっこをする際、壁を向いたかと思うと、ズルをしてカメラに向かってニンマリ、アゴを触るというものでした。幼いころから悪巧みが好きだった浜田の良さが伝わる、いい場面です」(エンタメ誌ライター)
ダウンタウン司会の音楽番組「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP」(フジテレビ系)にKinKiがゲスト出演した際、この映像が流され4人で鑑賞。さらに、現在放映中の「水曜日のダウンタウン」(TBS系)でも、「幼少期を演じた子役 大人になったらやっぱりその俳優に似てる説」を検証するため、同じシーンがオンエアされた。ちなみに、このときSNSでは「似ていない」と批判が殺到し、なぜか浜田が顰蹙を買うという憂き目にも遭っている。
「子役時代の剛は、それこそロケットスタートでした。『ダウンタウン物語』のほかにも、時代劇『若大将天下ご免!』(テレビ朝日系)、サスペンス『悪夢の後』(MBS)、『京都サスペンス ほたる草心中』(関西テレビ)と、ドラマだけで4本も出演。さらに、京都・南座で舞台も経験。東宝現代劇(現:劇団 東宝現代劇)の劇にも参加して、子役として幅の広さを見せています」(前出・エンタメ誌ライター)
89年と90年には、“演歌界の重鎮”北島三郎と「北島三郎特別公演」で共演。天下のサブちゃんにかわいがってもらい、楽屋で一緒に何度もごはんを食べたという。
そんな剛も、KinKi Kidsとしてデビューして23年。人生の半分以上がジャニーズだ。デビュー20周年の節目には、20年連続東京ドーム公演という史上最多記録をさらに更新した一方で、左耳の突発性難聴を発症。今なお、俳優・音楽活動を大幅に制限しているが、いつか自らが演じた浜田と本格共演してほしいものだ。
(北村ともこ)