9月8日放送の「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出川哲朗がゲスト出演。ギャグをスルーしたり、「ほかに面白い芸はないの?」とおねだりしたりと“芸人殺し”の異名をとる黒柳徹子と、入院前に丁々発止のトークを繰り広げている。
例えば、出川の実家である老舗の海苔問屋の話題になったとき、出川が「芸能界のグルマーのタモリさんとか梅宮辰夫さんとかに『本当においしい』と言っていただいて」と自慢すると、すかさず徹子が「話を聞いていたら、私もおたくの海苔食べたい」とムチャ振り。出川は「あっ、しまった! 持ってくればよかった! ごめんなさい」と大あわて。「お贈りさせていただきます」と言うしかなかった。
また、映画「男はつらいよ」シリーズに何度か柴又の住民Aとして出演したときのエピソードにも、怖い一言。出川が「寅さんが柴又から出ていくシーンで、後ろで本番前に待ってたんですけど、そのとき渥美さんが急に振り返って、僕に『君はふだん何をやってるんだい?』と聞くから、『仕事のないときはアルバイトとかして生活してます』って言ったら、渥美さんが『そうか。僕にもそんな時代があったな』って遠くを見たんです。そのときはっきり確信したんです。『第2の寅さんは君に任せたよ』って。渥美さんは言葉には出さなかったんですけど、僕にははっきりそう聞こえましたね」と自慢すると、徹子は即、「じゃ、そうなってないとね、あなたね」とグサリ。
また、結婚13年になる妻の話題で、出川が「最初は『てっちん』と呼ばれていたんですが、半年ぐらいすると『くそテツ君』になって、さらに『くそテツ』になって、今はちょっとよくなって『くそテツちゃん』です」と話すと、徹子は「でもね、くそなんて言葉の間に私の『テツ』を入れないでと徹子さんが言ってたと話しておいてね」と指摘。 出川は「本当におっしゃるとおりです。『くそ徹子の部屋』とか最悪ですからね。くれぐれも言っておきます」と恐縮するしかなかった。
ここまで形勢不利の出川だったが、最後に一発逆転。徹子が「あなたの英語が面白いんですってね」と振ると、「僕、英語はハートだと思うんで」と言いつつ、「トゥナイトスケジュール?」と徹子に英語もどきで尋ねる。これに対し、徹子はニューヨーク仕込みの英語で「Why you asking me?」(なぜ、そんなことを聞くの?)。 出川は「スピードイングリッシュ、ノー。スローリー、スローリー。ワンモアカモン」。徹子は「人にカモンは失礼だと思いますよ」と言いながら、「Why you asking me about my schedule tonight?」(なぜ今夜のスケジュールを聞くの?)。
出川はその意味がわからず、さらに、黒柳が放った英語の一部の「No dinner」を“ディーナーをとらない”と解釈。「あっ、ノーディナー? ああだからベリーベリーお痩せになって。ベリーベリーガリガリガリガリ」と失礼な返し。徹子が何度も「I don’t go with you」(あなたとは食事には行かない)と話しても、出川に伝わらなかった。
「芸人殺し」の徹子を翻弄した「出川イングリッシュ」の大逆転勝利だった。