「嫌い嫌いも好きのうち」という言葉があります。男性から口説かれてもNOと言い続けている女性。でも本心はYESなんだよ……という意味で使われますよね。
この女性特有と思われていた「NOと言いながら本当はYES」という心理状態。最近では、男性にも増えているようなんです。よくいわれる“男性の女性化”なのかもしれませんね。
ところで、なぜ人はYESなのにNOと言ってしまうのでしょうか? 心理学的な観点から解いてみましょう。
実は、人間には「人から誘われて簡単にYESと言ったら軽い人と思われるのではないか」という不安から、なかなかYESと言えない傾向があります。つまり、そう思う本人は「すぐにYESと答える人は軽い人だ」と思いながら他人を見ているということ。そして、そう思っている人が意外と多いということが考えられます。
また、本心と逆の言動をとるのは【防衛機制】によるものです。防衛機制とは、フラストレーションなどから自分を守るために無意識にとる行動のことで、精神分析学者のフロイトが考えた概念です。
例えば、子どもの男子が好きな女の子をいじめてしまうのも防衛機制の一つ。本心とは違う行動をとることで、心を安定させているわけです。本人はとっさに嘘をついてしまうため、自分がついた嘘に気付かない場合もあるといわれています。
つまり、「自分をよく見て欲しい」「緊張した人間関係ではいたくない」という心の状態からの嘘といえます。ある意味、とてもかわいらしい嘘ですが、その嘘一つで、もしかしたら叶うはずの恋が終わってしまう場合もあります。ですから、“ここぞ”というときには自分を強く持って、嘘をつかずに恋を楽しめるようでありたいですね。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)