仕事中、なんだかケアレスミスが続いたり、イライラしやすくなったり、忘れっぽくなったりしていませんか? それはもしかしたら、睡眠不足によるものかもしれません。
ニューロスペース代表取締役社長の小林孝徳さんの著書「ハイパフォーマーの睡眠技術」(実業之日本社刊)によると、睡眠不足が続くと脳の働きが低下し、目の前の事実をうまく情報処理できず、仕事でケアレスミスを繰り返してしまうのだとか。また、脳の偏桃体は情動を司っており、ここが睡眠不足によって炎症を起こすと、人は怒りっぽくなったり忘れっぽくなったりしてしまうのだそう。これでは仕事もままならず、人間関係も悪化してしまいますよね。
最近では、“睡眠負債”という言葉が広く知られるようになっています。NHKスペシャル「睡眠負債が危ない」という番組の公式サイトには、睡眠を研究する専門家たちは蓄積する睡眠不足を睡眠負債と名付け、対策の重要性を指摘していると書かれています。1日6時間程度眠っていたとしても、わずかに睡眠が足りなければ、借金のように蓄積してしまうそうですよ。
東北大学が女性およそ2万3,995人を7年間追跡し、睡眠時間と乳がんの発症リスクの関係を調べた研究では、「平均睡眠時間が6時間以下の人は、7時間寝ている人に対して乳がんのリスクがおよそ1.6倍になる」ことが分かったそうです。
心当たりがある人は「週末にしっかり寝だめしておこう」と考えるかもしれません。でも、専門家によると、週末の寝だめに頼ろうとすると生活リズムが乱れてしまい、平日の睡眠に支障が出て、かえって負債を増やしてしまうリスクが高いのだとか。毎日コツコツ、これまでより長く寝ることを意識するのが、睡眠負債にもっとも効果的なのかもしれませんね。