名トランペット奏者の数原晋さんが死去したことが、5月10日までにわかった。74歳だった。ご存じない方でも、「必殺シリーズ」のオープニング“パララ~”の音色は、聞き覚えがあるのではないだろうか。また、山口百恵さんの「いい日旅立ち」の哀愁あるイントロ。杏里の「悲しみがとまらない」。ジブリ映画「天空の城ラピュタ」では、主人公・パズーが「ハトと少年」を吹くシーンも演奏した。
数原さんは、国立音楽大学在学中にプロに転向。高橋達也と東京ユニオン、原信夫とシャープス&フラッツなどのビッグバンドを経てスタジオ・ミュージシャンとして活動。松任谷由実や山下達郎のレコーディングにも参加した。また、角松敏生のバンドにも参加している。
角松は自身のフェイスブックで「自分と関わりの深い恩義ある方の訃報が届きました。近年40年余、日本の大衆音楽に彼が貢献してきたことは語り尽くせないでしょう」と悼んだ。
「一流のトランペッターとして、素晴らしい活躍を果たされた方だと思います。素顔の数原さんは温厚で、シャープスのメンバーと会ったりすると『昔は艶っぽい話をしていたのに、みんなジジイになって病気の話ばっかりだ』なんておっしゃっていた笑顔が忘れられません」(音楽関係者)
数原さんの残した音楽は、後世に受け継がれてゆくに違いない。