女優の伊藤沙莉が6月12日放送の「人生最高レストラン」(TBS系)に出演し、幼少期に体験した一家離散のエピソードを打ち明けた。
伊藤は、まだ2歳の頃の出来事として、家族が離れ離れになってしまったことがあったと告白。そのキッカケについて「お父さんが若干やらかしまして。飛んだんですね。で、家に住んでいられなくなっちゃった」と話し、「お金もないし。で、私は母の幼なじみの家で、お兄ちゃんとお姉ちゃんは、お兄ちゃんのサッカー仲間の家(に居候した)」とバラバラの生活を余儀なくされたという。
2歳ながら「めちゃくちゃ覚えています」と振り返る伊藤は「なんで私だけ独りなんだろう」と複雑な心境だったようだ。3カ月ほど続いた伊藤家のバラバラな生活。「お母さんと伯母がめちゃくちゃ働いて。朝から牛乳配達して、ほとんど寝ていなかったと思います」とし、「で、おうちを見つけて迎えに来てくれました。かなりボロボロのアパートだったのに(兄や姉が)『お城だ! すごい!』って言っていた時には、本当に頑張ってよかったって言ってましたね」と家族の新たな住処が見つかった際の喜びを回想した。
決して広い部屋ではなかったというが、伊藤は「何より家族で住めるのが本当に嬉しかったんです。布団3枚で家族5人で寝る感じでした。むしろ皆を近くで感じられる。ギューッてなるのがよくて、バラバラで寝ることは1回もなかった」と家族水入らずの日々を懐古。また、伊藤によると、当時の特殊な体験が「家に対する執着」を作り上げたという。
母と伯母に世話になったことへの感謝として、伊藤は「実家を建てたい。一軒家に憧れがある」と説明。母親からは、芸能活動で稼いだお金は「自分が好きなことに使いなさい」と言われており、「私が何かをやってあげるっていうのを(母は)拒んでいた」というが、伊藤は「本気で家を建てたいと思ってるし、自分が好きなことに使いなさいってよく言うけど、それが好きなことだから」と母を説得。当初は母も受け入れようとしなかったものの、伊藤が「最後の一押しとして、ローンを組んで、頭金出して、お兄ちゃんが(芸人として)いいところまで行ったら押し付けます」と、兄でお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介を巻き込んだプランを提案すると、母は最終的に首を縦に振ったという。
突然、キラーパスを受けた兄・俊介。番組からその経緯を知らされると、「初耳ですね。いいんですけど、頑張りますけど、僕も。でも、あいつの金銭感覚でいったら無理です。(ギャラが)全然違いますからね。(ローンは)払います。長男ですし」と兄らしさを見せつつ、「でも、なんで赤の他人からこれを聞かされなきゃいけない? 実家のローンの話を」と不満の表情も浮かべていた。
「かつての壮絶な体験を明かし、そうした背景によって家族間のつながりや家に対する思い入れの強さを語った伊藤。母と伯母への恩返しとして、27歳にして実家の一軒家購入を検討する羽振りの良さを見せ、ネットでは『応援したくなりました』『この歳でローン組めるってすごいな』『幼少期のことを聞いてビックリしましたけどお母さんや伯母さんと一緒に幸せになってもらいたいです』『苦労したけど絆が深まったいい例ですね。親孝行ローンのリレーか、いい兄妹だなぁ』などの声が集まりました。伊藤は過去に俊介とルームシェアをしていた時期があり、その際の家賃は伊藤が22万円、俊介が4万円の支払いという内訳。俊介は、『このバランスが、僕がギリギリ兄でいられるバランス』だったと説明していますが、今後はより大きな責任を背負っていくことになりそうで、世間からは『お兄ちゃん、いいところまで行くかなぁ』『お兄ちゃん、頑張って』などのエールが送られています」(テレビ誌ライター)
妹からは“ヒモ兄ちゃん”と呼ばれ、昨年7月、同居していた部屋から引っ越しをする際には、全てのバスタオルを持っていってしまうセコさを暴露された俊介。ここ数年、芸人としての知名度は飛躍的に向上し、今年2月からはメガバンクのCMにも起用されるなど、その勢いはうなぎ上り。沙莉と協力しながら、なんとかローンを完済してもらいたいところだ。
(木村慎吾)