恋愛がうまくいかなくてツラい……そんなときは自己肯定感を失いがちです。存分に好きなことをして自分を甘やかして癒やすのがよいですが、それでも立ち直れないときはあります。
それに、自分を甘やかして癒やすことすら億劫な気持ちのときもあります。あるいは、自分を癒やすことで自分の心と向き合うことはできるのですが、そのときに苦しみをともなうこともあります。どちらの場合も、心は最高にネガティブな状態。何も行動する気持ちになれないですよね。
そんなときには、自分の暗い気持ちに寄り添うことをオススメします。具体的には、“何もしない”ことです。暗い気持ちは暗いまま、部屋を掃除したくないならしないまま。最低限の仕事と食事を取ること以外は、何もしないという選択です。
後は、泣きたいなら好きなだけ泣いてしまえばいいのです。泣くことには【カタルシス効果】があるといわれています。簡単にいえば、心の浄化作用です。ですから、泣くと立ち直りやすくなるのです。
涙には、目を保護するときに出る【基礎分泌の涙】、煙が目に入ったときや玉ねぎを切ったときに出る【反射の涙】、悲しいときやうれしいときなどの感情の状態に合わせて出てくる【情動の涙】の3種類があるといわれています。中でも、リラックス効果があるのは情動の涙です。
そもそも、暗い気持ちのときは何らかのストレスを感じている状態。交感神経が優位になっています。情動の涙で副交感神経が優位になると、血管が広がって脳の血流がよくなります。そのことで、身体がリラックスした状態にもなるのです。
また、涙にはロイシン・エンケファリンという成分が含まれていて、心や身体の痛みを鎮める効果、デトックス効果があるともいわれています。
「でも、人前でなんてそうそう泣けないし……」
もちろん、人前で泣く必要はありません。むしろ、人前で泣き過ぎると「涙もろいよね」と言われてしまいがちですし、家で1人のときに存分に泣けばいいのです。少し照明を暗めにしたり、心にしみる音楽をかけたり、アロマキャンドルをたいてみたり……いろいろ趣向をこらして、涙の空間を演出してみてもいいと思います。
思いっきり泣くことで暗い気持ちから抜け出すことができ、次のステージに向かいやすくなりますよ。
(恋愛カウンセラー・安藤房子)