Snow Manが「第72回 NHK紅白歌合戦」(NHK)への“初”出場を決めた。昨年、同年に同時デビューしたSixTONESと紅白初出場の夢をかなえていたが、宮舘涼太が新型コロナウイルスに感染。メンバー全員が濃厚接触者に該当し、出場を見合わせたため、1年越しの悲願達成だ。
Snow Manは、タッキーこと滝沢秀明氏がタレント時代に主演・演出した「滝沢歌舞伎」シリーズを支え続けた功労者。双方が長年かけて培った信頼関係は何物にも代えがたく、昨年1月のデビュー時は滝沢氏の肝いりデビューと揶揄された。しかしその実は、大の“苦労人”グループ。時間をかけてデビューにこぎ着けた。
前身ユニットはMis Snow Man。誕生したのは09年で、まだジャニーズJr.だった頃のKis-My-Ft2とA.B.C-Zの合同コンサートの本番中に、電撃的に発表された。メンバーは深澤辰哉、佐久間大介、渡辺翔太、真田佑馬、野澤祐樹、宮舘涼太、岩本照、阿部亮平、小野寺一希。直後に小野寺が脱退。その後、8人で映画「HOT SNOW」の主役を演じるほど推されたが、真田と野澤が「笑っていいとも!」(フジテレビ系)の16代目いいとも青年隊に抜てきされて、「noon boyz」という新デュオを組んだため、脱退。阿部が大学受験のために活動を休止したため、グループは解散した。
「平日昼間の国民的バラエティ番組『笑っていいとも!』で、現役ジャニーズがオーディションを突破したのは、noon boyzが初めてです。ジュニアの身分で帯番組の生放送に出たのは、後にも先にもこの2人だけ」(アイドル誌ライター)
noon boyzの誕生によって、Mis Snow Manは3年で解体。岩本がリーダーとなって、12年からSnow Manに改名して生まれ変わった。ダンスはピカイチの集団だったが、平均25歳の妙齢に差しかかり、デビューは絶望的とされた。
ところが、滝沢氏が18年いっぱいで芸能界から引退し、翌19年からジャニーズJr.の育成を主とする傘下会社の代表に就いたことで、ジュニア改革が急速化。15歳で中学3年生だったラウール(当時は村上真都ラウール)、嵐のバックダンサーとして力を付けていた21歳の目黒蓮、関西ジャニーズJr.のリーダーだった向井康二を新メンバーに加え、9人体制にリニューアル。最年長の深澤と渡辺、最年少のラウールとは11歳の年齢差が生まれ、ジャニーズグループ史上最大の開きとなったが、それも大きなセールスポイントとなった。
タッキー改革は見事にヒットし、Snow Manは「オリコン上半期ランキング2021」のアーティスト別セールス部門、トータルランキング、作品別売上数部門のシングルランキングで1位を獲得。シングルは3作連続で売上100万枚を達成。ミリオンアーティストとして恥じない記録を更新している。
ジャニーズ初の記録で喜び、泣かされてきた9人組。紅白初舞台では思いを爆発させてほしい。
(北村ともこ)