元SMAPでかたくなに演技の仕事を避けているのは中居正広だけ。17年にジャニーズ事務所を退所した稲垣吾郎と草なぎ剛、香取慎吾の「新しい地図」は、それぞれが年1ペースで映画、ドラマ、舞台で主役を演じている。元メンバーで唯一ジャニーズ事務所に在籍している木村拓哉も俳優として大活躍。テレビドラマと映画、どちらも積極的に出演している
そんななか、20年3月末にジャニーズから独立した中居は司会一本のまま。中学生の段階でジャニー喜多川社長からしゃべりを評価されたため、諸先輩から話術を盗もうと自ら動いた。当時、ジャニー氏から勧められたのは人気絶頂だったシブがき隊(布川敏和、本木雅弘、薬丸裕英)のコンサートを観ることだった。
「ジャニーさんはシブがきのトークを高く買っていました。ジャニーズJr.たちにコンサート会場に勉強しに行くよう指示しており、なかにはトークになると入ってきて、終わると帰る失礼なジュニアも‥‥。その1人が、中居だったそうです」(アイドル誌ライター)
中居は薬丸が退所したあと、食事をしている。その際、「実はシブがきのコンサートを見に行ったんですよ。トークだけ(笑)」とカミングアウトしたのだとか。
シブがきはアイドル時代、ジャニー氏から一度も褒められたことがないという。しかし、レコード会社のスタッフを通じて「ジャニーさんが褒めてたよ、君たちのトークを」と聞かされた。82年のデビューから一気にスターダムにのし上がったが、後輩の少年隊、光GENJIの台頭で88年に解散。布川はバラエティ、薬丸は司会で花を咲かせ、本木は世界で名を馳せる名優となった。
SMAPは光GENJIの直属の後輩で、バックダンサー「スケートボーイズ」として始動。光GENJIのコンサートに花を添える存在だった。着替えの時間を利用して、MCやオリジナル楽曲を披露する場を与えられた。しかし、熱狂な光GENJIファンから受け入れられないことがあり、ステージの前へ出ると「帰れ」コールをされたことも。
「それでも6人(当時)は負けずに歌い続けました。年齢が上の中居と木村は、悔しくて目に涙を溜めていたそうです」(前出・アイドル誌ライター)
芸能界の頂点に立ったSMAPでも、10代の頃は苦境を経験。この絆は、バラバラになった今も強いままだと信じたい。
(北村ともこ)