国際政治学者・三浦瑠麗氏が4月19日放送の「めざまし8」(フジテレビ系)に生出演し、大手牛丼チェーン「吉野家」の幹部による不適切発言について言及した。
目下、大きな騒動となっているのが、同社の常務による社会人向け講座での発言内容だ。同16日、早稲田大学日本橋キャンパスで開催されたマーケティング講座において、同氏は「不適切な表現で不愉快な思いをする方がいたら申し訳ない」と前置きし、若者への販売戦略に関して「地方から出てきた生娘さんが、(吉野家を)初めて利用して、そのままシャブ漬けになるような企画」と表現したという。
また、SNS上での受講者による告発では、ほかにも「田舎から出てきた右も左もわからない若い女の子を無垢・生娘なうちに牛丼中毒にする。男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、絶対に食べない」といった発言もあったとされている。
これに、三浦氏は「面白く、ウケる発言をしようと思って、比喩を使って失敗したっていうのは、バカだなーって笑って終わる問題だったと思うんです。ただ、発言の全体を見た時に、この方の女性に対するまなざしっていうのが、女性を低く見たり、女性は自立せずに男に飯を奢ってもらって生きていく存在だ、みたいな。愛のない冷淡な女性に対するまなざしを感じたから、みんな怒ったと思う」とし、発言の根底に女性への軽視がうかがえると説明。続けて、「彼の言い方からして、女性が利得狙いで行動してるみたいな。そういう言葉しか出てこないっていうのはマーケターとしてもどうかなと思う」と苦言を呈した。
同騒動を受け、19日に開催予定だった「吉野家新商品および新CM発表会」は中止に。同日より放送されるはずだった新CMには、モデルの藤田ニコルが起用されることになっていたが、三浦氏は「ニコルさんが本当にかわいそうだなと思うのは、若い女性だから。バカな存在として吉野家の常務に見られているというようなイメージがついてしまうと困るなと」と、藤田のタレントとしての印象にも傷が付く可能性を指摘した。
「世間からすると、男性に好まれる傾向の強い牛丼チェーン店が、“右も左もわからない若い女性”を新たなターゲット層に据え、高いくておいしい料理を知らないうちに牛丼中毒にするための広告塔として選ばれたのが藤田ニコル、であるかのように解釈してしまいます。実際、SNSやネット上には、『藤田ニコルもいい迷惑だ』『勝手に無垢な女の子としての広告塔にされて本当に気の毒。慰謝料もらっていいレベル』『まるで藤田ニコルがバカ代表のシンボルみたいな』『藤田ニコルは牛丼漬けの象徴?』『田舎娘を牛丼漬けにするためのタレントが藤田ニコルってことか』などの声が飛び交っており、藤田にとって決してプラスとは言えない状況に。中には、『タレントが不祥事起こしたら、何億っていう慰謝料払わせるんだから、吉野家はニコルにそれなりのお金を支払うべき』との指摘も寄せられました。企業側のトラブルにより、CM起用タレントにダメージが生じる珍しいケースになったと言えますね」(テレビ誌ライター)
当の藤田本人は19日、ツイッターに「今日も元気に仕事頑張りますー」と投稿。ファンからは「吉野家の新作発表が中止になって大変でしたね。今日も1日お仕事頑張って下さい」「にこるんはなんも関係ないし、今ある仕事頑張って下さい」などのエールが集まっている。
今後、新CMがお蔵入りになるのであれば、藤田にとっては非常に迷惑な騒動だったと言えるだろう。
(木村慎吾)