嵐・櫻井翔がMCを務めるバラエティ番組「1億3000万人のSHOWチャンネル」(日本テレビ系)が、9月3日放送からリニューアルされた。
同番組は嵐の冠番組「嵐にしやがれ」の後継番組で、嵐活動休止後の2021年1月にスタートした。当初は日本国民1億3000万人が胸に秘めている「やってみたい」、「見てみたい」、「見たくなる」企画を募って実行していくというコンセプトだった。櫻井がMC、羽鳥慎一が進行を担当。ゲストと様々な挑戦VTRを見ながら盛り上がるという内容。初回こそ2時間スペシャルのおかげで世帯平均視聴率13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したが、翌月には1ケタ台に突入。以来浮上しないままだ。
「櫻井がバク転を猛特訓したというふれこみの目玉企画がありました。視聴者にすれば、見事成功した姿が見られると思うじゃないですか。ところが、成功しなかったんです。1カ月も練習したにもかかわらず、失敗で終了しました。普通ならボツネタ。達成感もなければ、爽快感もゼロ、“ポンコツ櫻井”が悪目立ちしただけの企画でファンにも総スカンされました。
最近も自炊経験ゼロ、料理まるでダメダメな櫻井が包丁を握り、鍋を振って名店の絶品料理の再現に挑むコーナーがイチオシ企画となっており、ダメオヤジぶりが全面に押し出され、イメージダウンはなはだしいともっぱらです」(ジャニーズウオッチャー)
リニューアル後は、コンセプトが「全国直送ニュースバラエティ」となり、全国各地のグルメ、旬の地元ネタ、知る人ぞ知る観光情報などを厳選して届ける。初回は「食欲の秋SP」と題してご当地グルメを紹介。糖度35度以上、1個200万円の幻の桃や、めちゃくちゃ大きくておいしい椎茸をリポート。ほかにも釣りが大好きな葉加瀬太郎による真鯛釣り、茨城県を訪れた櫻井と小峠英二がご当地グルメの食い倒れツアーなどをラインナップした。
「10月の改編を前に緊急テコ入れを行ったのは、ひとえに低迷したままの視聴率にあります。『嵐にしやがれ』時代は国民的人気アイドルの冠バラエティで、活動休止前の大盛り上がりもあって常時2ケタをマークしましたが、櫻井1人ではいかんともしがたく、嵐メンバーをゲスト出演させたり、事務所の後輩をゲストに呼んだり、ロケ取材させたりと事務所総出でバックアップ体制を敷いていますが上向く気配はなし。テレビ離れの著しい若者には特に不人気で、F1層(女性20~34歳)の反応はかなり寒いです」(芸能ライター)
しかし、テコ入れがネットで報じられるや、噴出したのが厳しい意見だった。新鮮味ゼロ、既視感ありありのお手軽企画と散々で、中京テレビ制作の人気番組「オモウマい店」や読売テレビ制作の「秘密のケンミンSHOW極」(ともに日本テレビ系)の劣化版という意見もあった。マツコ・デラックスの「月曜から夜ふかし」(日本テレビ系)に激似との声も上がっていたが、同番組の企画・演出は「1億~」と同一人物。似てしまうのも仕方がないというものだろう。
今、確実に数字を稼いでいるのは、食関連のネタや地方のご当地ネタ。「オモウマい~」と「秘密の~」はコンスタントに2ケタ視聴率を叩き出し、視聴率ベスト30内に食い込んでいる。コロナ禍のうえに、物価高騰で食べたいものが食べられない事情も後押しする中、グルメネタはさらに需要が増している。
「どこのテレビ局も制作費削減であえいでいる。『1億~』もテコ入れと同時に制作費カットに手をつけた。まずはレギュラー、ゲストを減らした。ロケは最少人数で行いスタジオの中央にテーブルを配置、横一線に出演者が並ぶシンプルなものに模様替え。4月入社の新人アナウンサーを進行アシスタントにすえ、キャスト費を大幅カットした」(テレビ誌記者)
貧相な印象が目につく番組にならぬことを祈るばかりである。
(塩勢知央)