「泣き女」というのをご存知ですか?
これは、葬儀などの際に、“泣く”ことを職務としている人のことです。実は、世界各国に古くから存在していたといわれています。中国の古い書物『礼記』には、葬儀では泣くための儀礼があることが記載されていて、このときに盛り上げる泣き女が必要だったというのです。
日本では「鳴き女(なきめ)」という言葉で『古事記』に登場しています。でも、この鳴き女は泣くのではなく、葬儀などで故人の事情を知らせて知的・理性的に死を悼む役割だったそうです。感情的なものとはかけ離れていますね。
一方で、中国の泣き女はとても大胆なもの。泣くというと顔を手で覆ってシクシク泣くイメージがありますが、それとは違って顔を覆うことなく涙を流し、金切り声で叫ぶのが一般的なんだとか。周囲の人は、その泣きっぷりに仰天してしまうほどなんだそうですよ。謝礼は、日本円でいえば3000円ほどとか。
いかがですか? 世の中には不思議な職業もあるものですね。