昨年、ジャニーズアーティスト初の世界デビューを果たしたTravis Japan(以下、トラジャ)。アメリカのオーディション番組で大きな爪痕を残し、かつてビートルズらが所属した名門レーベル「キャピトル・レコード」と電撃契約すると、10月にデジタルシングル「JUST DANCE!」を世界配信した。
1stシングルは、米ビルボードチャート「The Global excluding US」で5位にランクイン。日本国内だけで6万6000を超えるダウンロードとなり、オリコンのデジタルシングル(単曲)ランキングで初登場1位を獲得、昨年度最高の初週ダウンロードとなった。
トラジャといえば、“おとなジャニーズ”の筆頭格。ジャニーズJr.時代は近藤真彦や嵐、タッキー&翼のバックダンサーとして、群を抜いた信頼と実績を誇った。デビュー間近と目されながらも、同世代のSnow ManとSixTONESに先を越され、チャンスを逃し続けること10年。デビューにこぎ着けた時、メンバー7人の平均年齢は25.4歳になっていた。
そんなトラジャと“師匠”滝沢秀明氏(当時・ジャニーズ事務所の副社長)の絆は強い。留学先のアメリカに滞在中、メンバーに世界デビューの決定を伝えたのも滝沢氏だった。正式発表されるおよそ1週間前、グループのチャットに滝沢氏から動画が届く。グループのこれまでの活動がまとめられており、ラストで「Travis Japan 世界デビュー決定!」と記されていた。
「メンバーはアメリカで語学を学ぶため、学校に通っていました。そのうえで、ダンスとボイスレッスンは欠かさない。アパートメントでの共同生活は、ゼロからのスタートを意味するものでした。レッスンの課題曲として与えられていたのが、デビューシングルの『JUST DANCE!』。メンバーには明かしていませんでしたが、滝沢氏の中では世界デビューのプランが立てられていたのです」(女性誌記者)
19年8月8日、Jr.だけによるおよそ19年ぶりの東京ドーム公演で、苦楽をともにしたSnow ManとSixTONESの翌年同時デビューが発表された。トラジャファンはその場で号泣し、メンバーはその直後に歌ったKis-My-Ft2の楽曲「FIRE BEAT」の途中で、悔しさのあまり涙を流した。あれから3年。舞台を日本から世界に移したトラジャは今年、さらなる猛攻を仕掛ける。
(北村ともこ)